川崎加入の次世代PG米須玲音「ロス五輪へ向けて…」河村勇輝から刺激受け海外進出の夢も
11月22日、B1中地区の川崎ブレイブサンダースは、米須玲音(日本大学)と山内ジャヘル琉人(大東文化大学)の2選手とプロ契約を締結したことを発表した。両選手ともに来年3月に大学卒業見込みではあるものの、今季終了を待たずに加入。11月末に開幕するインカレ終了後に川崎に合流する予定だ。 【動画】“高校生Bリーガー”米須玲音のB1デビュー戦ハイライト映像 長崎県出身で現在21歳の米須は、177センチ75キロのポイントガード。東山高校時代にも特別指定選手として川崎でプレーした経験を持ち、1学年上の河村勇輝(当時福岡第一高校/現メンフィス・グリズリーズ)と比較されるなど注目されていた有望株だ。日本大学進学後は怪我に悩まされた時期もあったが、満足にプレーできない間も身体づくりに励みレベルアップ。待望のBリーグ参戦となる。 22日に行われた入団会見では、日本人史上4人目のNBAプレーヤーとなった河村からの刺激について問われた際に、将来的な海外挑戦の野望を抱いていることも明言した。 「自分は高校時代から河村さんと試合をやらせてもらっていて、当時は“ライバル”と言われていたんですけど、河村さんはNBAの舞台に立たれて、自分は大学で次Bリーグ。まずは目の前のことを考えて、Bリーグでしっかり活躍して、その先海外に行けたら挑戦したいと考えています」 有力選手の海外志向は自然とはいえ、入団会見での海外志向表明。会見に同席した北卓也ゼネラルマネージャーは、マイクを向けられ思わず表情を崩したが、それは非常にポジティブかつ和やかな受け答えだった。 「挑戦することについては応援したい。ただ行きたい気持ちだけではうまくいかないので、その準備をしっかり川崎でしてほしいです。もちろん(川崎に)いて欲しいんですよ(笑)。でも、レベルが高いところに挑戦することは大事だと思っていて。色々なことに挑戦することは、バスケットもそうですし、人生においても、役に立つと思う。ぜひ川崎でプレーはしてほしいですけど、レベルの高いところで色々な経験をしてほしいなと思っています」 そんな北GMの米須評は、「ビジョンが広くアシストは抜群。(前回に所属していた4年前から)ヘッドコーチは佐藤(賢次)からネノ(ロネン・ギンズブルグ)に替わりましたけど、“より速いバスケ”ということでは、球出しの速さがあるので、速い展開に合うんじゃないかなと思っています。それとゲームコントロール、試合を落ち着かせるところにも期待をしています」とのこと。同時に入団する山内とともに、将来的に川崎を引っ張っていく存在となることを期待している。 また、北GMは特別指定選手として所属した4年前を振り返り、当時高校3年生だった米須が特別な才能の持ち主だったと感じさせるエピソードも披露した。 「当時うちの選手たちも高校から特別指定で入ることについてクエスチョンだったと思うんですね。ただ、入って練習して試合に出て、パスセンス、アシストに関しては外国籍選手も含めて驚いていましたね。ニック(・ファジーカス)は『アシストは一番だと思う』と言っていましたし、ジョーダン・ヒース(現京都ハンナリーズ)はミドルレーンをゴールからゴールまで走るのが得意な選手なんですけど、米須選手が試合に出るとパスが出てくるので喜んで走っていた。味方を生かしたり、トップ選手にも米須選手の強みである『パスはすごい』ということが見えたのは印象的だった」 大学バスケ界屈指のポイントガードである米須にとっては、4年間の成長を示し、自らの価値をアピールするプロキャリアがスタートする。日本代表への思いを問われると、「どれだけやれるか心配はありますけど…」と前置きしつつも、「ロス五輪へ向けて、これからやっていくつもりなので。自分も代表に入れるようにやっていけたら」と大舞台に照準。4年後の米須はどれほどの選手に成長しているか。大きな夢を抱く21歳の歩みに注目だ。
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