「葬儀代が3分の1になる」と80歳の父が生前見積もりをしているそうです。そんなに金額が変わるものでしょうか?
葬儀会社によっては、亡くなる前に見積もりをする「生前見積もり」に対応しているところがあります。 本人が自身の希望をかなえやすい、金額が事前に分かるため用意しやすいなどがメリットです。しかし、あとから請求額が変わるケースもあるため、見積もり時点での確認はしっかり行いましょう。 今回は、生前見積もりのメリットや注意点、見積もりをするときのポイントなどについてご紹介します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
生前見積もりのメリットは事前に金額の目安が分かること
生前見積もりのメリットは、本人が元気であるうちに、亡くなったあとの費用についてある程度把握できることです。事前に葬儀費用を用意しておけるので、本人の逝去後にかかる家族への負担を軽減できます。 さらに、生前であれば本人が満足できる葬儀プランを選びやすい点も魅力でしょう。複数の葬儀会社を時間をかけて比較しやすいため、希望に最も近い業者を選びやすくなります。葬儀会社と見積もりや希望プランのやり取りをするなかで、信頼できる業者なのかを見極めやすい点もメリットです。 業者によっては事前に会員登録をすることで、会員特典を受けられるところもあります。また、会員になっておくと、業者側も会員情報などから亡くなった方の希望を把握しやすく、葬儀までの流れがスムーズに進むでしょう。
追加料金が発生するケースも
事前見積もりはあくまでも本人が亡くなったときにどのような葬儀をしたいのか、また費用がいくらくらいなのかを事前に決められる方法です。「事前見積もりにしたら非常に安い値段で葬儀ができる」と業者に言われたときは、安いプランで本当に希望通りの葬儀が実施できるのかを必ず確認しましょう。 業者によっては、「事前見積もりのプラン通りの葬儀はできない」と、追加で高額な料金を求められるケースもあるためです。実際、過去には独立行政法人国民生活センターへ事前契約よりも高額な請求がされたことに関する相談が寄せられました。 葬儀の内容は業者やプランによって多岐にわたります。生前見積もりをするのなら、安い値段を提示されたときにどこまで対応してもらえるのか細かく問い合わせましょう。業者とのやり取りで不安を覚えたときは、業者を変えた方がいい可能性もあります。 なお、亡くなってから葬儀をするまでの期間が想定よりも長くなってしまったり、参列者が想定よりも増えて返礼品の数が多くなったりしたことで、どうしても生前見積もりより高くなってしまうケースはあります。事前に聞いていた金額よりも請求金額が高いときは、金額の内訳を聞いておきましょう。