熱意の99球 脅威の「0.64」 "ネクストメジャー"ともいわれる中日の次世代エースの存在とは
中日の次世代エース、高橋宏斗が躍動した。 7月5日に行われた広島戦(バンテリン)に先発した高橋の立ち上がり、初回は一死二塁の形を作られるも、3番、小園海斗を中飛、4番の野間峻祥を捕邪飛に打ち取りピンチを切り抜けると波に乗る。 【動画】好投手の証!高橋宏斗がマダックス完封を成し遂げたシーン 最速156キロの直球に切れのあるスプリットをまじえて、8回まで散発4安打、満を持して9回のマウンドに上がると本拠地ファンの大声援も受けながら、先頭の秋山翔吾を155キロ直球で空振り三振に、続く矢野雅哉は3球三振で封じると、小園に対しては最後はスプリットでニゴロに仕留めた。 99球の「マダックス」(100球以内の完封勝利)を成し遂げ、マウンド上では大きく笑顔をはじけさせた。 昨年6月13日のロッテ戦(バンテリン)以来、プロ2度目の完封勝利。 今季の広島戦は3試合で2勝0敗、23イニング無失点と「鯉キラー」ぶりも変わらず、チームにとって大きな戦力となっている。開幕前には山本由伸(ドジャース)を参考にしたフォーム変更が合わず、開幕ローテーション入りは果たせなかったが、4月下旬に合流後は10試合でチームトップの5勝をマーク、防御率はわずか「0・64」と圧巻のパフォーマンスを示している。 また高橋といえば、昨年のWBCの活躍で世界から注目を集めた。 しなやかなフォームからくりだす150キロ中盤の剛速球と切れ味抜群の変化球のコンビネーションで、メジャー打者を翻弄、評価が急上昇したのだ。 今年3月にMLB公式サイトは、「次にメジャーリーグでエースになり得る日本の先発投手5人」とタイトルがついた特集記事を掲載。佐々木朗希、山下舜平大、高橋光成、平良海馬、高橋宏斗をリストアップした。 ダルビッシュ有、大谷翔平、千賀滉大ら、日本人投手の活躍を背景に近年のメジャーリーグにおける日本人投手の影響力を大きくなっているとした上で続けて、「日本にはさらに計り知れない才能を持った投手いる。次は誰になるか」とピックアップしたのが先述の5人だった。 若きエースの好投でチームも首位の広島に5・5差と迫る。侍ジャパンの右のエース格への成長も期待される高橋の快進撃から目が離せそうにない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]