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「封筒に現金」証言次々、大規模買収の様相 検察当局、河井克行氏立件へ

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中国新聞デジタル

 昨年7月の参院選広島選挙区で初当選した自民党の河井案里氏(46)=参院広島=と夫の克行前法相(57)=衆院広島3区=が広島県内の地方議員や首長に現金を配ったとされる買収疑惑で、検察当局が克行氏を立件する方針を固めた。現金授受を認めた県議や首長によると、激戦が必至の参院選への立候補が決定していた時期に克行氏が事務所などを訪ね、現金が入った封筒を持参してきたという。辞任に追い込まれた町長もおり、地元政界を巻き込んだ大規模な選挙違反事件となる様相が強まる。 【動画】河井案里氏、初当選時に語った決意  ある現職県議によると、昨年4月の県議選後に克行氏が突然、自身の事務所を訪れ、封筒を置いて帰った。数日後に中身を見ると、30万円が入っていた。  当時、案里氏は参院選への立候補が決定していた。県議は克行氏に返そうと思ったが機会を逸したという。地検の任意聴取では「案里氏の選挙を応援してくれという趣旨の金だろうなと思った」と説明したとしている。  広島市議の一人は昨年6月ごろ、自身の事務所の外で克行氏から「いろいろとお世話になる。また今回頼みます」と手提げ袋を渡された。中身を確認すると封筒に30万円が入っていた。封筒に領収書はなく、違法性の認識はあったと認める。  安芸太田町長だった小坂真治氏(71)の自宅にも昨年4月21日ごろ、克行氏が訪ねてきた。「参院選で保守系の票を分ければ(自民党の)2人が通る」と切り出し、中身の厚い白い封筒を差し出したという。小坂氏は現金の可能性を感じ、受け取りを拒否したが、押し問答の末に受け取った。  封筒の中身は確認せずに自宅で保管していたが、河井夫妻の買収疑惑が報じられたのを受けて今年3月28日ごろに封筒を開けると、20万円が入っていた。  小坂氏は責任を認め、4月9日に町長を辞職。「異常な選挙の流れを止められず、巻き込まれたことを反省している」と述べた。  中国新聞のこれまでの取材で、県議7人と広島市議6人、廿日市市議1人の計14人が参院選前に夫妻側が現金を持参してきたと回答。県議選などがあった昨年4月の統一地方選前後の時期に30万~50万円を持参したケースが多かった。大竹市の入山欣郎市長は現金が入ったとみられる封筒を提示されたが突き返したとしている。  2議席を争う参院選広島選挙区では、6選を目指した自民党の溝手顕正氏と無所属の森本真治氏の現職2人に加え、2議席独占を狙う自民党本部の主導で案里氏が立候補。自民党では、党広島県連が溝手氏を支援し、党本部が案里氏を後押しして激戦となり、溝手氏が落選した。  党本部は、溝手氏陣営の10倍に相当する1億5千万円を案里氏陣営に投入していた。広島地検は、資金援助を受けた河井夫妻が各地に支持基盤を持つ地方議員らに広く現金を配り、支持拡大を図ったとみて捜査を進めている。  昨年4月に克行氏から20万円を渡されたという廿日市市議会の元議長は参院選では溝手氏を支援したとする一方、現金を持ってきた克行氏の狙いをこう見た。「溝手氏支援の動きが鈍ることを期待していたのではないか」

中国新聞社

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