異色のオタクレスラー 世界選手権代表に選出
そして昨年10月、新日本プロレスの入門オーディションを受けて合格、今年4月からブシロードクラブの所属レスラーになった。社員なので、新日本プロレスの試合やブシロードのイベントにスタッフとして参加しているが、『ラブライブ!』や『探偵オペラ ミルキィホームズ』など美少女アニメTシャツに身を包んだ重量級の姿は、かなり目立つ。 「陸上選手にはオタクが多いみたいですけれど、レスラーで同じ趣味の人には会ったことがないですね。『なんですか、これ』とか、『気持ち悪いからやめろ』と言う人もいます。でも、やめません。アニメを見もせずに気持ち悪いと言われても、何とも思いません。花咲徳栄高時代はアニメが好きだということを大っぴらに言えずにいたし、いじめられっ子でもありました。でも、大学に入ってからは好きなことは隠さず、アニメの主人公たちのように諦めずに、人から無理と言われることにも挑戦し続けると決めたんです」。 世界選手権代表が決定したとき、岡はサンボのアジア選手権に出場するためウズベキスタンにいた。6月の全日本選抜選手権で優勝はしたが、直後に行われた代表決定のプレーオフでは負けてしまっていたため今年の日本代表には選ばれないと聞かされていたからだ。ところが、今年は、アジア大会と世界選手権の二つの大きな大会が近い日程であることを理由に、それぞれ別の選手が派遣されることにになった。これまで、事前の告知と異なる代表の選び方をしてこなかった男子レスリングでは異例の変更だった。 「選ばれないと聞いていたので本当に驚きました。チャンスが巡ってきたとも思ったし、決断も迫られました。というのも、もし世界選手権代表になるなら、合宿や遠征などの都合上、他の競技には参加できなくなるからです。迷いましたが、永田監督と相談してレスリングだけに集中し9月の世界選手権へ臨むことにしました」。 基本的には岡はレスリング選手だが、サンボやブラジリアン柔術など、様々な格闘技の大会に出場して優秀な成績を収めている。とくに最近は6月14日にレスリング全日本選抜選手権でフリースタイル125キロ級優勝、6月22日に全日本ブラジリアン柔術選手権大会の青帯ウルトラヘビー級優勝、6月25日にアジアサンボ選手権100キロ超級で3位と、立て続けにメダルを獲得している。だが、世界選手権代表に選ばれたことで出場の決まっていたサンボの日本代表選手最終選考会をはじめとした大会等を棄権するとブログで明かした。