インナーイヤー型も健在。Acoustuneから“筐体が分離する完全ワイヤレス!?”「HSX1001」
東京・秋葉原のベルサール秋葉原で12月14日、15日に開催している、e☆イヤホンによるポータブルオーディオイベント「ポタフェス 2024 冬 秋葉原」。ここではサウンドアース、ミックスウェーブ、Brise Audio、アシダ音響などのブースをレポートする。 【画像】DUNU「DK3001 BD」 ■ サウンドアース DUNUから、11月末に発売されたばかりの有線イヤフォン「DK3001 BD」などを展示。DK3001 BDは、ダイナミック型ドライバー1基と、バランスド・アーマチュア(BA)×4基、さらにマイクロプラナードライバー×4基の、合計9ドライバを搭載し、価格は79,980円。 さらに、QoAからは3つのイヤフォン・プロトタイプを参考展示。1つはダイナミック型を2基搭載したもの。もう1つはダイナミック型×1、BA×4、骨伝導ドライバ×1を搭載したハイエンドモデル。さらに、ダイナミック型×3、BA×4のモデルもある。 外観などはまだ仮のもので、開発の参考にするため、視聴した来場者からの意見を集めていた。 また、新たに取り扱う予定のブランド・UXCOTECHの製品も3モデル展示。インナーイヤー型(イントラコンカ型)の「ES-P3」は、15.4mmの大口径ダイナミック型ドライバーを搭載。フルメタルハウジングや、独自のU-Turboパイプなどを内蔵する。 さらに10mmのダイナミック型を搭載したカナル型の「RE-1 PRO」、同じく10mmのダイナミック型で、デュアルマグネットの「RE-3」もラインナップする予定。 ■ ミックスウェーブ HiBy Musicからは、発表されたばかりで、12月20日発売の小型DAP「R1」が注目を集めている。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16,800円前後。 「R6 Pro MAX」は、DACチップにESS「ES9039SM Pro」をデュアルで搭載。DACの実力を引き出すオペアンプのOPA1612を搭載するなど、フラッグシップグレードのクオリティを持つという。2025年1月~2月発売予定で、オープンプライス。店頭予想価格は180,000円前後。 スタイリッシュなデザインのイヤフォン「Yacht10」は、2025年1月~2月発売予定。オープンプライスで、店頭予想価格は24,000円前後。 「FC 5 with Display」はスティック型DAC兼ヘッドフォンアンプ「FC 5」にディスプレイを備えたモデルだが、内部スペックも強化されているとのこと。2025年1月~2月発売で、オープンプライス。店頭予想価格は18,900円前後。 Campfire Audioからは、Nine Inch Nailsのメンバーであるアレッサンドロ・コルティーニとコラボしたイヤフォン「CLARA」が登場。筐体素材が樹脂のものと、チタンのモデル、2種類を用意する予定。価格や発売時期は未定。 さらに、Campfire Audioのイヤフォンに取り付けられるカスタムのイヤーピースを作るサービスも発表。日本でも展開できるよう、検討しているとのこと。 Beat Audioからは、12月下旬発売予定の「Pink Freesia」(店頭予想価格26,900円前後/180本限定販売予定)や、「Hadal MKIII」(2025年1月~2月発売/価格未定)を含む、多くのケーブルが参考出品されている。 ■ Brise Audio Brise Audioのブースでは、発売したばかりの新ハイエンドイヤフォンケーブル「OROCHI Ultimate」の試聴が可能。YATONOと比べ導体量を強化し、特殊な絶縁素材も採用。線材は、超弩級コンセプトモデル「MURAKUMO2 for IEM」で採用した線材で、初めて市販モデルに採用された。 さらに、「Ultimate Portable Audio System」こと「FUGAKU」も試聴できる。 卓上ヘッドフォンアンプの試作機も聴くことができる。バランス入出力を搭載した純粋なアナログのヘッドフォンアンプで、背面にプリ出力を備えているため、プリアンプとしても使用可能。 TSURANAGIやFUGAKUで実績のある電子ボリュームもそなえている。この電子ボリュームの位置を読み取るために、マイコンを搭載しているが、音質を追求するために、このマイコンをOFFにするスイッチを搭載予定。OFFにするとボリュームが変えられなくなるが、音質はかなり向上するとのこと。 目的のボリュームまで回したら、マイコンをOFFにして、ボリュームを調整したい時はマイコンをONにしてからボリュームを回すという使い方になる。 さらに、ユニークなケーブルとして、ラックスマンが創業100周年の記念モデルとして、11月に発売した超弩級ヘッドフォンアンプ「P-100 CENTENNIAL」(99万円)向けのケーブルも参考出展。 P-100 CENTENNIALは1台でも使用できるが、モノラル動作させ、2台で使う「パラレルBTL バランス接続」のスペシャルモードを備えている。 この場合、1台ずつのフロントパネルにある3ピンXLR端子を使うのだが、2台を重ねて設置するのではなく、横に並べた場合でも届くように50cmの長さで作られている。 ■ 完実電気 完実電気のブースでは、Audezeやデビアレの製品を出展。Audezeブースの注目は、世界的人気モデルになっているという「Maxwell」。同ブランドのヘッドフォンとしては手が届きやすい55,000円ながら、90mm平面磁界ドライバーを搭載し、DAC/アンプとも、左右独立で搭載。ユニットにはUniforceボイスコイル、Fluxorマグネット、Fazorウェーブガイドといった上位機と同じ技術を投入。ゲーム用に、専用USB-Cドングルを使った2.4GHz超低遅延ワイヤレス接続も可能となっている。 デビアレからは、完全ワイヤレスイヤフォンの「Gemini II」や、ユニークなデザインを採用しながら、高い低音再生能力を持つ「PHANTOM II」も紹介している。 ■ Acoustune ピクセルのブースでは、Acoustuneが2025年1月に発売を予定している完全ワイヤレスイヤフォン「HSX1001」を参考展示。改良型第3世代ミリンクスドライバーを搭載し、BluetoothのコーデックはLDACやaptX Lossless、LC3に対応する。価格は未定だが、8万円ほどのイメージだという。 メカメカしくて男心をくすぐるデザインだが、よく見るとハウジングにネジがあり、2つの筐体をネジ止めしているような形状になっている。聞けば、耳から遠い外側が通信に必要なパーツやバッテリーを搭載したモジュール、耳に近い側がミリンクスドライバーを搭載した音響モジュールになっており、ネジを外せば分離できるという。 ここからは想像だが、分離できるので、イヤフォン側だけを別のモジュールに進化させたり、バッテリーが劣化してきたら通信側のモジュールを交換するといった可能性も考えられる。非常にユニークな構造の完全ワイヤレスイヤフォンになっている。 同ブースではさらに、SpinFitの定番イヤーピース「CP100」シリーズの後継モデル「NEO」も参考展示。素材や形状を最新のものに改良し、新たな定番イヤーピースとして展開する予定だ。 ■ その他の展示 アシダ音響(ASHIDAVOX)のブースでは、2025年春に発売予定の、レトロ・モダンデザインのヘッドフォン「HA-ST12」や、2025年の2月中旬~下旬発売予定というカナル型イヤフォン「EA-AS1」(店頭予想価格5,000円~6,000円)を展示。HA-ST12の上位モデルで、ASHIDAVOX初のリケーブル対応ヘッドフォンも参考展示している。 アコースティックな手段で頭内定位の問題を解決し、音楽ソースが持つ音場や音像が自然に再現できるという頭外定位ヘッドフォンを手掛けているCROSSZONE(クロスゾーン)のブースでは、そのサウンドをより手軽に楽しんでもらうための新製品「CZ-12」を参考展示。 上位機と同様の技術を投入し、アコースティックな手段で頭内定位の問題を解決しながら、各部のパーツコストなどを抑え、より手頃な価格を追求。6~7万円での販売を計画しているという。低域をよりパワフルにした既存モデル「CZ-10 Enhanced」のサウンドに近づけたチューニングになっているとのこと。 さらに、ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドフォン「CZ-Q1」も参考展示。こちらはアコースティックな手段ではなく、形状としては通常のヘッドフォンだが、信号処理により、頭内定位の問題を解決するという。ユーザーがそのモードを選択できるが、モードをOFFにして通常のヘッドフォンとして使うこともできる。
AV Watch,山崎健太郎