【京都2歳S】無傷V3のエリキングはどこまで強くなる? 関係者の証言から伸びしろの大きさを探る
[GⅢ京都2歳ステークス=2024年11月23日(土曜)2歳、京都競馬場・芝内2000メートル] 23日の京都11R・GⅢ京都2歳ステークスは、川田騎乗で単勝1・9倍の断然人気に推されたエリキング(牡・中内田)が無傷の3連勝で重賞初制覇を果たした。勝ち時計は2分00秒9(良)。藤田晋オーナーは前年のシンエンペラーに続く同レース連覇となった。
勝負どころの手応えは…
エリキング、危うし――。誰もがそう思わされた勝負どころ。道中は中団の外めをスムーズに運びながら、最も早く手が動いたのが断然人気の鹿毛馬だった。「中間も具合が良く、馬の成長を感じる調教過程でしたし、返し馬でも体の良くなっている部分を確認できました。ただ、それが競馬に結びつかない現状で、もう少し時間がかかるかなという3、4コーナーでした」と振り返ったのは川田。直線に入っても劣勢に立たされたままだった。 だが…。鞍上のゲキに応えて残り1ハロンからグイッとひと伸びすると一気に先頭に立ち、1馬身1/4差をつけての完勝。野路菊Sでは半馬身だったジョバンニとの差を広げて、改めて大物ぶりを存分に見せつけた。 「一瞬ヒヤッとしましたね」と苦笑いを浮かべたのは見守った中内田調教師。ただ、それは「成長の余地を残している中、結果を残してくれるのがこの子の偉いところ」という、高い期待の裏返しでもある。 「今日しっかり動かしたことが、先につながっていくと思う」と川田が語ったように、まだまだ進化の〝先〟がある中での連勝街道。次走は未定ながら、年内は休養に充てる見込みだ。あくまでも目標は来春のクラシックとなるが、春の息吹が待ち遠しくなる無敗の重賞勝ち馬の誕生劇だった。
東スポ競馬編集部