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食事が不規則になったときの服薬

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月刊糖尿病ライフ さかえ

ポーポーポポッ。ハトの鳴き声で僕は目を覚ました。カーテンの隙間から差し込む光が、もはや早朝ではないことを物語っていた。壁の時計を見て、思わず声を発してしまった。 「ええーっ、もう12時!? 朝食食べ損ねた! お薬どうしよう?」  食事が不規則になることってありますよね。例えば、仕事が立て込んで昼食が遅くなった。交代勤務のため、日によって食事時間がバラバラ、子どもの食事の相手をしていたら、自分の食べる時間が消滅した、友だちと外食で豪華なランチを食べた後の罪滅ぼしに夕食を抜いた…。そんなとき、糖尿病の薬をどうしたらよいのか迷われた経験が、皆さん一度はあると思います。今回は、薬の服用について基本的な考え方をお話ししましょう。

食事のタイミングに合わせて 服用(または注射)する薬

 糖尿病治療薬の中には、食事と必ずセットで服用(または注射)するものがあります。  具体的には、α(アルファ)-グルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬、超速効型(または速効型)インスリンです。これらの薬は、食事時間がずれたとしても、食べるときに合わせて服用(または注射)してください。 ただし、食事の量的な不規則、すなわち糖質量が普段より極端に多かったり少なかったりする場合には、食後の血糖値に影響しますので注意が必要です。低血糖を防ぐため、食べていないときはこれらの薬はやめておきましょう。 インスリンの場合は、糖質量に合わせて単位を変える方法もあります(応用 カーボカウント)。

1日1回服用の薬

 1日1回服用の薬、具体的にはチアゾリジン薬、SGLT2阻害薬、スルホニル尿素(SU)薬、一部のDPP-4阻害薬、一部のGLP-1受容体作動薬、持効型インスリンですが、作用時間が長いという共通の特徴があります。服用(または注射)しないと丸1日影響してしまいます。冒頭のケース(朝食を食べず昼に起きた)で、朝1回服用の薬があったとしたら、昼食時に服用しておきたいところです。ただ、本来朝に服用する薬が夜までずれてしまうと、次の服薬までの時間がぐっと短くなりますので悩ましいところです。  使っている薬の種類によって対応が変わりますので、自分に多い不規則な生活パターンについて、あらかじめ医師や薬剤師とよく相談しておきましょう。 三重大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 副科長・助教 鈴木俊成(すずき・としなり) ※『月刊糖尿病ライフさかえ 2019年4月号』「お薬との上手な付き合い方」より