【独自取材】服役11回・元暴力団員が仮釈放後に失踪「満期で飛ぶ人は多い」 元受刑者の“社会復帰”支援の難しさ
出所から1カ月たった9月20日、2人にとって初の給料日がやってきた。暴力団排除条例などによって、元受刑者には銀行口座が作れない人もいるため、現金で支給される。その場で、廣瀬社長は「野口さんが飛んだ」と明かす。目の届くプレハブから、社宅へ移った矢先だった。 荷物は全て置いたままで、仮釈放の決定書も置いたまま。失踪したのは、仮釈放期間を終え、刑期終了を迎えた翌日で、廣瀬社長は「仮釈放中に身元引受人の所から失踪すると、仮釈放が取り消され、また刑務所へ戻らなければならない。満期が来るタイミングで飛ぶ人が多い」と説明する。 一方、金さんの初任給は8744円。11日の勤務で支給額約9万3000円、前借り5万5000円や諸経費を引いた額だ。同僚は「一生懸命頑張っている。進んで自分で材料を取り、次何すればいいかをわかっている」と褒める。「周りが認めてくれるのがありがたい。声をかけてくれるのは、期待してもらっているということ」。野口さんの失踪については、「頑張りましょうねと声をかけたとしても、それ以上にかける言葉はない」と話す。 取材ディレクターによると、野口さんは失踪の10日後、戻ってきたという。「埼玉の友人宅に逃げていた。友人は生活保護を受けていて、頼ってほしくないと廣瀬社長に電話した。お金も持たず、戻る電車賃もなかったので、社長に振り込んでもらった」。しかし職場復帰したものの、「当日欠勤をしてしまうため、社長が悩んでいる」状態だそうだ。 (『ABEMA的ニュースショー』より)