【UFC】UFC CONFESSIONS──パントージャ「UFCは堀口恭司がいるのに間違った日本人を連れてきた」×朝倉海「純粋なタックルは取られない自信があったけど、あれは……」
◆誰が本当の『GOAT』か
そして、UFCで敵無しの王者は、GOAT(Greatest of All Time=史上最高の選手)として、新たな目標を掲げる。 「UFCの中で最も次戦に現実的な選手」というカイ・カラフランス、「一度だけ僕に勝っているが、次は僕が勝つことが100%分かっている」というデイブソン・フィゲイレード、「ほかの団体だが、今の僕にとっては優れたグラップラーと戦うことは問題ない」というムハンマド・モカエフ(13日のBrave FCで1R ダースチョークで一本勝ち)らを語りながらも、パントージャはそれを超える2人の選手の名前を挙げる。 「僕はいくつかのインタビューで言ったんだけど、UFCは堀口恭司がいるのに間違った日本人を連れてきたなと」「恭司と話したときにこう伝えたんだ。『もし君がUFCに来てタイトルをかけて試合がしたいなら、僕は君の友達だけど喜んで受けるよ。ベルトをかけて君と対戦できるのであれば光栄だ』と。彼のことが大好きさ」と、ATTの盟友がいまなお世界のトップにいると語る。 そしてケージの中で「今年引退したけれども、デメトリアス(ジョンソン)へのメッセージがある。僕がGOATだ。あなたがGOATだと証明したいなら戻って来い」と指名したDJの名をあらためて挙げた。 「僕はいまその堀口とアドリアーノ・モラエス、それに元谷友貴ら日本人選手、カザフスタン選手とも練習している。そしてブランドン・モレノ、ロイバル、そして彼らの仲間たち、たくさんの優秀なファイターたちと戦ってきた。僕はプロフェッショナルとして成長している。いま僕は“自分の最高の瞬間を生きている”と感じているんだ。 DJが今、ハビブ・ヌルマゴメドフらダゲスタン勢とトレーニングをしているのを見た。すごいメンバーだ。僕の人生において抱いている夢がある。デメトリアス・ジョンソンの強さは世界中が知っている。僕はそのために挑戦者のように言った。戦いたいファイター、デメトリアス・ジョンソンはその中の一人で、彼は最高の一人だ」 その勝算を問われると、パントージャは「僕は100%彼を抑えられると思っている。彼はカウンターストライクにとても長けている。そして恭司と試合している。でも、今の僕には伸びしろがあるし、パワーもあるし、柔術もたくさん使えると思う。もし僕のことを知っていて、ケージの外での僕を知っているなら、僕が何かをやると言ったら、1000%本気なんだ。僕は白か黒だ。やるか、やらないかだ」と、DJが復帰するのなら対戦したいと望んだ。 対するDJは、「僕は自分のことをGOATと呼んだことはない。人々が僕をGOATと呼んだ。それがGOATになる方法だ。(自分をコールアウトした)パントージャはレガシーを残そうとしているのだろうか。しかし、デメトリアス・ジョンソンのレガシーにアレッシャンドリ・パントージャは必要ない。僕のレガシーはすでに残されている。ジョン・ジョーンズのレガシーにトム・アスピナルが必要ないようにね。まだアスピナルは暫定王者だが、僕は1年半前に引退しているからね」と、UFC復帰をきっぱりと否定している。 2023年5月のアドリアーノ・モラエス戦の勝利後、じっくりと自身に問いかけてオープンフィンガーグローブをマットに置いたDJは、柔術にシフトしていった。その決断はゆるぎないもののように見えるが、ここにきて道衣を脱いでトップ中のトップとトレーニングをともにしているのもまた事実だ。 そして世界のフライ級では、堀口恭司が大晦日にRIZINフライ級王者として、エンカジムーロ・ズールーを挑戦者に迎えることが決定。大晦日後はどうなるか。DJの古巣ONEでは、空位の王座に1位のモラエスと2位の若松佑弥が名乗りを挙げており、2025年にはONE日本大会も予定されている。 朝倉海は敗れたが、試合後の会見でダナ・ホワイト代表は、「あの試合が何を意味するのか、あの男が今夜勝ったら、(次は)日本での試合になっていただろうし、今夜の彼のパフォーマンスでも、もしかしたら日本で試合をするかもしれないという話になっていただろう。来年まだ日本でUFCをやる可能性があることに変わりはない」と、2025年のUFC日本大会について前向きであることをあらためて語っている。 次に“絶対王者”パントージャの王座を脅かすのは誰か。ロイバル、モレノと再び“3強”の王座戦時代となるのか、それとも──。
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