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<新幹線長崎ルート>国交省、2023年度の着工見送りへ 佐賀県アセス案拒否で

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佐賀新聞

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)に関し、国土交通省は31日、「2023年度末までの着工は困難になった」との認識を示した。着工に必要な環境影響評価(アセスメント)の実施を佐賀県が拒否したためで、建設財源の確保を見据え、国交省が目標にしていた23年度末までの着工は事実上、見送られることになった。  国交省は6月16日、フル規格、ミニ新幹線、在来線を活用するスーパー特急とフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)、リレー(対面乗り換え)方式の五つに対応する複数アセスを提案していた。  佐賀県は、提案があった6月16日と、県庁内で事務レベル協議を実施した7月15日に「同意できない」と拒否していた。国交省は8月中にアセスの手続きに入らなければ、23年度内の着工が困難になるため、「7月末まで回答を待ちたい」と再考を求めていた。  山口祥義知事は31日午前、記者団に回答期限への対応を問われ「もう(同意できないと)回答しているという認識なので」と述べた。午後に国交省の足立基成幹線鉄道課長が電話で県に意向を確認し、南里隆地域交流部長が「受け入れられない」と拒否した。足立課長と南里部長が続けている事務レベル協議は今後も継続し、次回を8月中に設定する方向で調整している。  国交省内には、23年度末までに着工できない場合、北陸新幹線(敦賀―新大阪)とセットの財源議論から切り離されるとの懸念がある。足立課長は「腰を据えて整備方式を議論しつつ、全方式に対応するアセスの提案に同意を得られなかったことは残念の極み」と述べた。その上で「できるだけ早く(高速鉄道の)ネットワークをつなげたいという強い思いがある。整備方式の議論はこれまで通りの熱量で臨む」と強調した。複数アセスの提案は取り下げず、県の同意が得られれば速やかに実施する方針。  一方、南里部長は「23年度着工が困難と言われても、そもそも何も決まっていないのにおかしな話だ」と違和感を示し、「幅広く時間をかけて議論するという前提と矛盾していないか」と疑問を呈した。複数アセス案も「同意していないフル規格とミニ新幹線のアセスを認めれば、同意したことになりかねない」と県側のリスクを強調した。財源問題も「協議の結論が出た後に国が責任を持って対応すればいい」と話した。(山口貴由、栗林賢)

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