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父の教えを実践するベッテルの人柄は、愛車を見ればわかる

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webスポルティーバ

記憶に残るF1ドライバー列伝(5)セバスチャン・ベッテル  ピンと糸を張り詰めたような緊張感が漂うスターティンググリッドで、セバスチャン・ベッテルは周囲のノイズを掻き消すように、ヘッドフォンを両耳に当てた。 【写真】さらば、F1グリッドガール。全20戦を彩った美女たちを一挙公開!  レッドブルで2度の王座を獲得し、3年連続を目指して挑んだ2012年は、レギュレーション変更でブロウンディフューザーは禁止となり、ノーズ高を下げることになった。レッドブルは競争力を削がれ、13戦目までに挙げることができた勝利はわずか1勝と、大苦戦を強いられていた。  ベッテルにとって初めてと言える大きな壁にぶち当たったこの年、スタート直前のグリッドだけでなく予選やフリー走行前のピットガレージ内でも、彼はヘッドフォンを身に付けて外界をシャットダウンするようになった。  ただ速く走りたい、速く走ることが楽しい。そういう思いだけでやってきた彼のレーシングキャリアは、この年、大きく変わったように感じられた。  しかし、それはあくまでコクピットの中だけの話だ。

彼はサーキットでの人生と、プライベートの人生をはっきりと線引きする。妻や子どもたちをサーキットに連れてこないのも、SNSを一切やらないのも、そういう理由からだ。レースから離れたベッテルは、いつも気さくで飾らず、純朴なドイツの田舎生まれの青年のままだ。  あのヘッドフォンでいったいどんな音楽を聴いているの? そう問うと、ベッテルは少し照れながら答えた。 「きっと君たちは知らないと思うけど......ドイツのフォークソングとかだよ」  一番好きなアーティストはビートルズだというベッテルは、ほかのF1ドライバーたちが好むようなオシャレでハイソなライフスタイルとはほど遠い、古きよき時代を愛好する素朴な人間だ。  自宅のガレージには古いクルマやバイクをコレクションし、滞在先ホテルからサーキットまでバイク通勤が可能なハンガリーGPなどは、自分のバイクを持ち込んで毎日ツーリングを楽しむ。ピカピカに磨き込まれた1970年代のSUZUKI T500を見れば、彼がどんな人間なのかがわかるだろう。

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