「魅せる」動画で工場見学 マンガも作成し活用 長野県諏訪市
長野県諏訪市は12日、市内の製造業企業と連携した「魅せる工場見学プロジェクト」の一環で制作した動画「世界のSUWA ものづくりのDNAを未来へ」を発表した。諏訪地域の工業の歴史や技術、精密産業を育む自然環境を子どもたちも理解しやすい言葉や表現、映像で解説する。市内3社の紹介漫画も作った。市公式ユーチューブチャンネルで公開。工場見学や学校教育、企業の採用活動などで活用していく。 工場見学は企業の強みや魅力をPRする好機と捉え、県の地域発元気づくり支援金を活用して今年度進めたプロジェクト。一連の事業をクローバーデザイン(下諏訪町)が受託し、ミスズ工業、小松精機工作所、ライト光機製作所の市内3社の工場見学を磨き上げたほか、動画と漫画を使った誰もが理解しやすい発信方法を目指した。 動画は約5分30秒。14の企業・団体が資料や映像素材の提供などで協力した。ものづくりが大好きな女の子「ランド」、ロボットペット「スワブ」が登場し、きれいな水や空気、製糸業の技術や空き工場など、精密産業の歴史や発展の背景について解説。優れた加工技術を持つ企業が集積し、各社の得意を生かして新商品を開発するプロジェクトが盛んなことも伝える。 3社それぞれの漫画では社の歩みや独自技術のほか、社風も紹介。ミスズ工業版では役職名を使わずに、社長を含めた全員を「さん」付けで呼ぶコミュニケーションも載せている。 市役所で市商工課とクローバーデザインが動画の完成を報告した。同社の宮本総子社長は「後世にものづくり技術を紡いでいく、将来のものづくり人材につなげていくという思いで作った。効率化や生産性向上への先人の方々の惜しみない努力や、諏訪人気質もこの動画から伝わればうれしい」と話している。