【悪質M&A問題 第3弾】「筆舌に尽くしがたい辛い思い…」大阪の中小企業が倒産 従業員への深刻被害 給料日直前に資金吸い取る 悪質業者の代表に“初直撃”【調査報道】
しかし、結果的に約1億円もの預金がルシアン社に吸い取られ、家族同然に過ごしてきた従業員は全員退職。男性は当時の思いを手記にまとめていました。 「大切な仲間との平穏な日々が崩壊していくさまは、筆舌に尽くしがたい辛い思いでした。事務所では仕事をしていると自然と涙が出て、時には嗚咽に変わることもありました」 ゼネラル社 元社員 「みんな好きだった。戻せるものだったら、あの時に戻したい」 男性は最後の1人の給料を払い終えるまで、仲間とともに奔走しましたが… ゼネラル社 元社員 「とんでもなく自分が無価値な存在というか、そう思って1人で残業をしていた日にサーバー室で首を吊ろうとした。経理担当の従業員が『(男性)さんのせいじゃない』と言い切ってくれた。涙が止まらなかった」 ルシアン社の代表X氏と取締役Y氏はゼネラル社の預金を吸い取ると、音信不通に。 ■「違います!」 潜伏先で…ルシアン社代表X氏を直撃取材 取材を進めるなかで、代表X氏は「複数の潜伏先を転々としている」という情報が舞い込みました。そのうち、ある場所を張り込むと代表X氏の姿が。 記者 「ルシアン社代表X氏ではないか?」 代表X氏 「違います」 記者 「買収した納豆業者の件をご存じですよね」 代表X氏 「違います。なんだよ」 記者 「ゼネラル社のこともご存じですよね」 代表X氏 「違います」 一貫して「違う」とだけ話し、走り去りました。 今回、ゼネラル社のM&Aを従業員が知ったのは、創業家が株式の売却を終えたあとでした。男性は「被害は残された従業員にも及ぶことに目を向けてほしい」と訴えます。 ゼネラル社 元社員 「何よりも今回、従業員が置いてきぼりだった。従業員の声というのが全然M&Aに取り入れられなかった。売り手・買い手という視点だけでなく、従業員や関わっている人という、もっと総合的な目でM&Aが実行されるような仕組みを作ってほしい」 ■従業員への被害も深刻 対策は? 小川彩佳キャスター: 経営者に対する被害だけでなく、従業員に対する被害も深刻です。
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