【悪質M&A問題 第3弾】「筆舌に尽くしがたい辛い思い…」大阪の中小企業が倒産 従業員への深刻被害 給料日直前に資金吸い取る 悪質業者の代表に“初直撃”【調査報道】
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「中小企業をめぐるM&A」についてです。悪質な投資会社が入り込み会社の資産を食い物にする“吸血”ともいえる手口の被害は従業員にも及んでいます。私たちの直撃に、会社のトップたちは? 【画像で見る】悪質業者の代表に“初直撃”「違います。なんだよ」 ■中小企業が餌食に 吸血型M&A 悪質業者の主張は 雑居ビルの一室が投資会社「ルシアンホールディングス」の事務所として使われていました。買収された30あまりの中小企業が「吸血型M&A」の被害を訴えています。 茨城県にある老舗の納豆業者も狙われました。 金砂郷食品 永田由紀夫 社長 「(ルシアン社は)約束と全然違うし、やっていることもいい加減」 その手口は▼買収した企業から預金を送金させ、吸い取る。▼借金の連帯保証は前の経営者に背負わせたまま、▼経営をほとんど行わずに行方をくらませる。 ルシアン社の代表X氏と取締役Y氏はどこにいるのか。7月、取締役Y氏を直撃取材すると… 記者 「ルシアンホールディングスについてうかがいたい」 ルシアン社 取締役Y氏 「急いでいるから」 記者 「企業買収のことをうかがいたい」 「急いでいる」としか答えませんでした。 今回交渉の末、Y氏が初めて電話取材に応じ、「従業員が資産を持ち逃げした」「自分たちは被害者だ」と強調しました。 ルシアン社 取締役Y氏 「マスコミが意図を捻じ曲げている。狐に化かされた世界だ、完全に。(買収した企業は)はなから全部、赤字会社ですから。全部、ルシアンがお金を補っただけ。従業員が在庫や機材を持って逃げたとか、そこに返済資金だけを入れていたことがたくさんある」 しかし、取材を進めると全く逆の実態が明らかになりました。 ■吸血型M&A 残された従業員の悲劇 会社に監視カメラ 従業員に送金命じる ルシアン社に買収された大阪市にある中小企業「ゼネラルビジネスマシン」。そこに20年以上勤めていた男性が社屋を案内してくれました。しかし… ゼネラル社 元社員 「受付のネームプレートも自分が作った。日常を奪われたと思う。かけがえのない日々を取られた」
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