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「Re-Entry Anxiety」って? ポストコロナ時代における人との最適な距離の保ちかた。

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VOGUE JAPAN

多くの人が自粛明けの人との距離感に不安感を抱いている。「Re-Entry Anxiety(再開することへの不安)」と呼ばれるその心理状況を打破するには、新たなるルールを作らなばならないと専門家は言う。アメリカ在住の筆者の実体験をもとに、ポストコロナ時代の人との付き合い方について考える。

アメリカ北東部に住む筆者は、5月下旬よりロックダウンの規制が緩和され、州知事より外出が許可されていた。だが、6月末になるまで、出かける決心がつかなかった。ステイホームによる退屈と孤独が重なり、そろそろ外出したいと思っていたある日、小グループで友人らと屋外で集まることになった。 待ち合わせ場所に到着すると、ハグではなく、肘を合わせるという新しいマナーと笑顔で迎い入れてくれた。すると、初対面の男性を紹介された。彼は手を差し出し、私たちは握手した。その瞬間、私は「気持ち悪い」と感じてしまったのだ。 その後、自分の手を顔の近くや他の人に近づけないようにしなければという強迫観念が、帰宅するまであった。念入りに手洗いをし、消毒することで、ようやく落ち着くことができた。かつては当たり前だった行為にストレスを感じるようになったことを初めて実感したのだ。

不安を悪化させないために。

この何カ月もの厳しいステイホーム期間を経た今、アメリカ北東部では日常生活が戻りつつある。屋外ならばレストランで食事することが可能になり、美容院も再開した。Zoom飲み会やメールでは叶わない、実際に人と会う充実感を改めて噛み締めている。しかし、外出する不安感は残り、かつてと同じような振る舞いに戻るのは難しい。 この自粛明けの不安感を専門家は「Re-Entry Anxiety(再開することへの不安)」と呼ぶ。オンラインセラピーを専門とするウェブサイト「Talkspace」の医療コンテンツディレクターのエイミー・サーバス医師はこのように語る。 「人と会うことの危険性について何カ月も聞かされた後に突然、許可を与えられても、違和感を感じるかもしれません。しかし、不安を感じるのは普通のことです」 実際、多くの人が「Re-Entry Anxiety」を感じていることが明らかになった。アメリカのテレビ局「NBC」のサーベイによると、アメリカ人の54%がレストランでの食事に「違和感を感じる」と回答し、66%が大規模な集まりへの参加や飛行機での移動に不安を感じているという結果が出た。 この感情は、ソーシャルディスタンスのルールを守っていない人に会うことで、さらに悪化する可能性がある。例えば、高齢者と暮らしている人は、公共の場でマスクを着用していない人と会うことで、不安感を引き起こすかもしれない。また、免疫不全の人は少人数の集まりを考えるだけでも鳥肌が立つかもしれないし、都内に住む人は郊外で暮らす人よりも外食を懸念するだろう。あるいは、握手をするだけで、気持ちがサーッと引いてしまうかもしれない。 「コンフォートレベル」の把握がストレスを軽減。 「マスクの着用やアルコール消毒など、感染を気をつけている人は、そのような基準を守れていない人を目の当たりにすることで大きくストレスを感じます」 このように語るサーバス医師は、ストレスを軽減する方法を教えてくれた。まず、最も簡単なのは、引き続きステイホームすること。ただし、精神的な負担がかからないように、自分の「コンフォートレベル(心地良い、悪いの度合い)」を知ることが最重要だという。待ち合わせは、返事をする前に約束の場所を調べ、マスクやソーシャルディスタンスが義務付けられているかを確認する。そうすることで、不安感を和らげることができる。また初対面の人と会うときは、事前に自分はどのようなルールに従っているかを相手に明白にすることが大切だ。「最初は、会う時のルールを決めることに違和感を感じるかもしれないですが、オープンに話すことで新しい習慣になるのです」とサーバス医師は言う。

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