戦前に建造のJR畝傍駅舎で初のイルミネーション 風情残し整備へ
簡易駅舎化の危機を乗り越えた歴史建造物、JR畝傍駅舎(奈良県橿原市八木町2)が今冬、初めてイルミネーションで彩られる。市が3月、保存活用方針を決めたことに橿原商工会議所青年部が呼応し、近鉄大和八木駅周辺で毎冬行う「イルミネーションinかしはら」を畝傍駅に拡大する。12月7日から2025年1月末まで。 試験点灯が29日夕に行われ、軒下につるした約4500球のLED電球が輝き、重厚な木造駅舎が華やかな雰囲気に包まれた。試験点灯は大和八木駅周辺でもあった。期間中のLEDは両駅合わせて計17万6700球。点灯は午後5時~午前0時(1月は午後5時半から)。大みそかは年をまたぎ、元日の午前7時まで点灯する。 畝傍駅舎は戦前の1940年に建てられ、昭和天皇が利用した貴賓室も残る。老朽化を受け、JR西日本は一時、無人駅で導入を進めている簡易駅舎への改築を検討したため、市は無償譲渡を受け歴史的風情を残す形で整備することを決めた。2028年春開業予定の新駅舎にはテナントを入れて公費支出を軽減する方針で、市の公募に7事業者が応募。各業者の活用計画案の審査結果が近く公表される。 また同青年部は畝傍駅で12月7日午前10時~午後4時、「橿原応援物産展~青空マルシェ」も開催。飲食関連20ブースが出店するほか、貴賓室の一般公開も行う。イルミとマルシェの問い合わせは橿原商議所(0744・28・4400)へ。【皆木成実】