仕事と介護の両立に悩む夫を見て「良い結果」と話す妻の真意とは?夫を不幸にする妻「ポイズンワイフ」の実態
夫を不幸にする妻の特徴について、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに解説してもらいます。 【画像】仕事と介護の両立に悩む夫を見て「良い結果」と話す妻の真意とは?夫を不幸にする妻「ポイズンワイフ」の実態
毒親ならぬ、毒妻(ポイズンワイフ)が夫を不幸にする
「マザコン」「一卵性母娘」「母子カプセル(母子密着)」など、子どもと母親との密着ぶりを表す言葉はたくさんあります。少子高齢化の近年、親離れできない/子離れできない「共依存関係」の母と子が増えていると言われています。 密着度合いが高じて、さらに子どもを支配するようになる親を「毒親」などとも言いますが、「毒親」判定の母親は、じつは夫に対しても「毒妻」になることが少なくありません。筆者はそれを「ポイズンワイフ」と名づけましょう。 夫を不幸にするポイズンワイフとはどんな妻なのでしょうか。事例と合わせて考えてみましょう。
ケース1:家庭内順位は愛犬よりも下の夫
みちるさん(48歳仮名)の毎日は、1人息子の蒼太朗くん(仮名)のためにあると言っても過言ではありません。10年間の不妊治療の末にやっと生まれた一人息子は、みちるさんにとって、「10年かけてこの世に送り出した努力の結晶」であり、思いの強さはハンパではありません。 みちるさんにとって、息子を産み育てることは、不妊治療を始めたときからずっと彼女の人生の目的であり、彼女にとって世界のすべては蒼太朗君を中心に回っています。 夫のひろきさん(仮名)曰く「家の中で1番偉いのは蒼太朗、続いて妻、その次がわが家の愛犬ココア、そして1番身分が低いのは僕なんです」。 例えば、みちるさんが腕を振るう日々の食事は、息子の好きなメニューを中心にしつつ、ちょっと太目な彼の体形を改善するために、ローカロリー高たんぱくな食材が並びます。ひろきさんが「脂身たっぷりの豚バラ肉でも食べたいな」と思っても言っても無駄なので、黙って1人で焼肉屋へ行きます。 「どうせ家の中では僕の意見はスルー。主張するだけ無駄なんです」 ひろきさんにとってさらに辛いのは、息子に卵のアレルギーがあるため、自宅では一切卵料理が食べられないこと。1度、こっそり目玉焼きを作って自分1人で食べようとしたところ、みちるさんに見つかり、大騒ぎになったそうです。 「卵が食べられない蒼ちゃんのことを知っていながら、自分だけ卵を食べるのは、息子への精神的虐待!」と激怒したみちるさんは、「夫が息子へのDVを行う」と警察へ通報すると騒ぎ立てました。 みちるさん一家の毎日のスケジュールも、もちろん息子中心。学校がある日の放課後は月曜がバイオリン、火曜日は英会話、土曜の午後は家庭教師、隔週日曜日はパーソナルトレーナーとの筋力と柔軟性を高めるエクササイズ。10歳にしてこれだけ予定が全部埋まっている超多忙な日々を送る息子に「蒼ちゃんは、きっと日本一忙しい小学生よ」とみちるさんはうれしそうに話しかけます。 しかし、そんなたくさんの習いごとに、じつは息子の希望は1つも反映されていません。 彼が希望したサッカーは 「怪我をするといけないから危ない。それに、サッカーは乱暴で、品のない子が多いから」というみちるさんの独断とすさまじい偏見で却下。ひろきさんは「それは違う」と告げましたが、その日から絶交状態が1週間継続。 どの習いごともほぼ個人レッスン。費用がかさむだけでなく、先生の自宅や会場など、送迎が毎回発生します。自動車の免許を持っていないみちるさんに代わって、ハンドルを握るのはひろきさん。ときには、コインパーキングがいっぱいなため、息子がレッスンを受けている2時間を、路上駐車の車中でずっと待っていることもあると言います。 夫を犠牲にしてまでもすべての情熱を息子に傾けるみちるさんですが、そろそろ反抗期を迎えた彼が、最近は「バイオリンに行きたくない」と駄々をこねています。 息子が彼女の思い通りの「理想の男性」に育つのかどうかは、まだまだ未知数のようです。夫ひろきさんは「辛い不妊治療に耐えたのは認めてあげたい。戦っている妻を見ていたから」と言います。今は爆発していませんが、息子さんの反抗期とともに一気に爆発する予感がします。