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子どもの「日常」どう守る 感染対策と保育の両立模索 オンライン活用で発見も【#コロナとどう暮らす】

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千葉日報オンライン

 新型コロナウイルスの感染防止策を徹底しつつ、幼い子どもたちの「日常」をいかに守っていくのか。市川市内にある保育園では、子どもが大人からの愛情を感じ取るのに必要なスキンシップを維持するため、新たな保育環境づくりに取り組んでいる。 (報道部・渡辺翔太)  今月16日、市川市の認可外保育園「にじいろおうちえん」。感染防止対策の休園から子どもの受け入れを再開して半月ほど経過していたが、園内にはいつもと変わらない光景が広がっていた。先生に抱きつき、甘える子どもたち。昼食を食べさせてもらったり、寝かしつけてもらう時には安心しきった表情を浮かべていた。  同園は、発達障害のある児童生徒の支援なども行うNPO法人「ダイバーシティ工房」が運営し、同法人は認可保育園「そらいろおうちえん」も手掛ける。二つの保育園には0~2歳の子どもが11人ずつ通っている。

◆「安心して過ごして」  現在、学校では席の間隔を空けるなどソーシャルディスタンスの確保が重要視されている。ただ、両保育園では職員と園児の接触を控える感染防止対策は行わない方針だ。  看護師の資格を持つそらいろおうちえんの内藤由紀子園長は「スキンシップをなくしてしまうと、子どもの気持ちが崩れてしまう」と説明する。新型コロナの影響により、社会の環境が大きく変わる中で「園の中ぐらいは安心して過ごしてほしい」との思いからだ。  子どもとの接触が多い保育現場だからこそ、職員はできる限りの感染防止対策を徹底している。園内にウイルスを持ち込ませないよう、厚生労働省のガイドラインを基に作った30項目以上のルールを順守。感染者数が全国最多の東京都内に通勤する保護者が多いため、子どもの受け渡しも外で行うことにしている。 ◆マスクで表情見えず  最も力を入れているのは園内の消毒で、子どもが園外から入ってくる時を目安に1日当たり3、4回行う。消毒は1回に1時間かかることもあり「本来はおもちゃを作ったり、別の仕事に職員を回せるので支障は出ている」(内藤園長)。6月末までの市の登園自粛要請で受け入れる子どもの数が少なく、今は職員の配置に余裕があるが、7月からの人繰りが課題だという。  職員のマスク着用も徹底しているが、内藤園長は「子どもの心の発達に影響が出る不安も」と指摘する。幼い子どもは大人の表情を見てまねをするなどして、状況に応じた感情を理解するという。マスクを着けると表情が分かりづらいので、これまで以上に丁寧に園児と向き合っている。 ◆子育ての悩み相談  子どもの日常を維持するには、親へのケアも重要となる。4月下旬からの休園中に両園で実施した取り組みで新たな発見もあった。  「Webおうちえん」と称し、ウェブ会議システム「Zoom」を使ったオンライン家庭訪問を行った。以前も保護者面談はあったが、今回は家庭での親子の様子や子どもが普段気に入っている物を見せてもらった。同法人の保育事業部マネジャー、浅川葉子さんは「親子の違う一面が見えて有意義だった」と振り返る。  Webおうちえんでは、クラスごとに交流会も複数回開催。当初は保護者同士が自己紹介をする場として活用し、栄養士と看護師が参加する会もそれぞれ開いた。子どもについての悩みを直接、専門職員に質問してもらう初の試みにもなった。  浅川さんによると、交流会では離乳食を始める際の注意点や子どもの発達に関する質問が多かった。新型コロナの感染が拡大するさなかだったが、親の心配事は子どもの成長に関わる普遍的な内容だ。浅川さんは「コロナだからこその試みだったが、思わぬ発見があった」。コロナ禍の中で子どもの成長の機会を守るために何を取り入れ、何を維持するのか。保育の現場では試行錯誤が続く。 ◇取材メモ  取材中、笑顔で駆け寄ってきた男の子に抱きつかれた。頭をなでてあげようと思ったが、「自分がウイルスに感染していたら…」とためらってしまった。同様に戸惑いながらいつも通りに接している保育士もいるという。子どもや保育関係者への検査拡充など積極的な対策が広がっていけばと感じた。

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