愛知海苔の復活目指す 商社と生産者、連携本格化
ある漁協では「すでに設置の時期を逃してしまった」という。かつて共同出資の取りまとめを試みたが、漁師たちの独立自尊の気風も壁となって頓挫した。数の減った組合員らが今から費用を負担するには、経営体一つ当たりの費用負担が大きすぎる。「今はおのおのが事業規模を拡大するしかない」(所属組合員)。 食害については、浜によって異なるものの生産量全体の1~3割が被害にあっているのでは、との推測が示された。魚よりもカモによる被害が大きく、駆除のしにくさがネックとなっているようだ。 7月の第1回「『愛知県復活に向けて』の実務者会議」には、買上上位の商社らと一部生産者らが参加し、栄養塩不足、後継者不足を主なテーマに絞って討論した。他産地からの海苔漁師の招聘や、2億5000万枚を直近の生産目標とすることなどが提案され、より具体的な検討が進められた。 9月6日には第2回実務者会議が開かれ、今後は伊勢湾に栄養塩を運び込む長良川の河口堰の視察も予定している。 愛知海苔の復活、そして持続可能な海苔生産体制の構築に向けた歩みが力強さを増している中、まもなく海苔の生産が始まる。増産に向けた取り組みが実を結ぶか、大きな期待がかかる。