「PCRセンター」都内に10か所程度設置か 東京都医師会、偽陰性「3割」に課題も
東京都医師会は17日までに、新型コロナウイルスに感染した疑いがある人の陽性・陰性を判断するPCR検査の実施数を増やすため、都内の区市町村と連携して「PCRセンター」を順次設置していくことを決めた。運営に当たっては、都内にある47の地区医師会が区市町村と連携していく。都医師会は当初、モデルケースとして2、3か所を設置して効果を見極める方針だったが、同ウイルスへの感染が疑われる患者が医療現場で増え、検査体制の充実を求める地区医師会・自治体が日増しに増えたこと。当面は墨田区、新宿区などに計10か所程度を整備する見通し。 PCRセンターでの判定を受け、陽性とされた患者については症状に応じて病院や宿泊施設への振り分けを行う。都医師会は17日午後に記者会見し、運用スキームなど詳細を発表する。
都医師会によると、PCRセンターは病院の駐車場などの敷地を利用して仮設のテントなどを張って作り、検査が訪れた人が他の人と接触しないようにゾーニング(区分け)をするなどして安全性を確保する。訪れる人には感染拡大防止の観点から公共交通機関ではなく、自家用車などで来るよう要請する。海外で実施例のある、自家用車に乗ったまま検査を受ける「ドライブスルー型」も検討しているが、(1)そこまで広い土地があまりない(2)天候が悪い日に作業がしにくい――などの課題があるという。 検査は、鼻から棒を入れ、検体を取る方法を取る。口から検体を取る手法よりも信頼度が高いため。それでも確度は7割程度で、陽性にも関わらず陰性と判断される「偽陰性」が3割程度の割合で発生するとのことで、課題は残る。検査は1日3000件が限度。検査結果は翌日に判明し、受けた人全員に結果を通知される。 検査センターは、かかりつけ医などから「検査が必要」と診断された人のみが訪れることができる。全検査希望者を受け入れるほど検査能力がないことに加え、感染していない人にもうつる危険性があるため、都医師会は「自らの判断で来ないように」と呼び掛けている。