マカオ、銀行の不良債権比率が5.1%まで上昇…金融当局はリスクコントロール可能なレベルとの見解
マカオ政府金融管理局が10月3日に公表した今年(2024年)8月の貨幣・金融統計の中で、マカオの銀行における不良債権比率が5.1%まで上昇したことが明らかとなった。このところ不良債権比率は上昇が続いている。 同局が同日発出した資料によれば、今年8月のマカオの銀行セクターの不良債権額は541.2億パタカ(日本円換算:約1兆円)で、内訳はマカオ居民向けが38%、非居民向けが62%とのこと。 マカオ居民向けの不良債権の大半はマカオ境内及び境外の居住用または商業用不動産を担保とする商業ローンで、十分な担保な担保の裏付けがあり、またマカオ居民によるマカオの居住用不動産購入のためのローンの不良債権比率は0.9%と低水準とした。 非居民向けの不良債権については、約半分が内地(中国)の不動産業者による不動産開発ローン、残りは主に境外の事業者によるその他不動産プロジェクトへの投資に関するもので、いずれも担保の裏付けがあり、また銀行はリスクに対処するため、これらの貸付に対して相応の引当金を計上しているという。 同局は、不良債権比率は上昇しているものの、依然としてリスクはコントロール可能な水準にあるとの見方を示した。