Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

トランプ「TikTok使用禁止令」発動…香港と中国の意外な反応

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
幻冬舎ゴールドオンライン

米ツイッター社がTikTok買収の意欲を見せるも…

■マイクロソフト社が狙うTikTok買収に、ツイッター社も参戦? 今回のTikTokの案件も、従来のようにCFIUSが舞台となり、ことが進むと考えられてきた。8月2日に、米マイクロソフト社は、バイトダンス社とTikTokの米国事業買収に向けて交渉を続けると発表し、買収の意向を初めて公表した。公表の背景には、CFIUSの監督の下で買収を粛々と進めたいマイクロソフト社とトランプ政権の思惑があり、前述の通りCFIUSはバイトダンス社に対してTikTok事業の売却について9月15日までの猶予を許可したのである。つまり、数日前までは、トランプ大統領は安全保障上の懸念からTikTokアプリの禁止も視野に入れていたものの、強硬策は回避すると見られていたのだ。   マイクロソフトとバイトダンス社の交渉は、数週間にわたっており、当初の目論見より長引いていたことは事実だろう。マイクロソフト側がTikTokの北米、オーストラリア、ニュージーランドの事業資産の買収に加えて、インドや欧州での事業を買収することも含めたことも、時間を要した理由だったのかもしれない。TikTok事業の価値は500億ドル超とも一部で言われ、高額になることも関係しているだろう。 8日には、米ツイッター社もTikTokサービスを買収する意欲があり、バイトダンス社と初期の交渉を行っていることが報道された。一部では、ツイッター社はマイクロソフト社などに比べて事業規模が小さいため、TikTok事業の買収で、独占禁止法上、厳しい調査を受けないだろうとの観測もある。マイクロソフト社の買収ですんなり決まるかどうかは予断を許さない。

対立激化によりテクノロジー産業分断の可能性

政治の動きで見れば、中国を仮想敵と想定した国家安全保障上の懸念は、米国議会では党派を問わない。11月の大統領選が近づいているが、共和党・民主党ともに、覇権を争う中国を叩く方向性はプラスに作用すると考えているようである。トランプ大統領が大統領令に署名した8月6日、米国議会上院では、政府職員が持つデバイスへのTikTokアプリのダウンロードを禁止とする法案を可決した。民主党が多数を占める下院でも可決される見通しである。 様々な分野で覇権を争うことになる中国に対して、攻撃的な姿勢がエスカレートしかねない点には注意が必要だろう。特に、今後の基幹産業の一つともいえるテクノロジー産業で相手を抑えるには、あらゆることをすべきという論調も気になるところである。トランプ大統領が署名した大統領令の発効は45日後だが、本格的なテクノロジー産業の分断の始まりとなるかもしれない。そして、急速に世界に普及・拡大したインターネットは、2大陣営によって、分断されてしまうかもしれない。 米政権の動きが他国に影響を及ぼし始めている点も気がかりである。インドはTikTokやWeChatを含む数十のモバイルアプリを禁止した。オーストラリアと日本でも同様に、中国企業の息のかかるアプリの規制が検討されている。こうした動きがテクノロジー産業の分断を招くと、高い成長が期待されてきた企業群の未来にも影響があるかもしれず、心配のタネになりかねない。

【関連記事】