８回途中から登板の早大・香西一希　（カメラ・頓所美代子）

◆東京六大学秋季リーグ戦第３週第２日▽早大５―４法大（２９日・神宮） 　早大が法大を下し、１勝１分けとした。２点を追う７回１死一、二塁の好機で今秋ドラフト上位候補・吉納翼右翼手（４年＝東邦）が逆転３ランを放ち、接戦をものにした。 　１点を争う試合を勝ちきった。守備面で小宮山悟監督が言及したのはセットアッパーの２年生左腕・香西一希投手（２年＝九州国際大付）のビッグプレーだ。１点を勝ち越した直後の８回に２死一塁の場面で登板すると、走者をけん制でアウトに。９回にも１死から走者を出したが、再びけん制で刺し、反撃を許さなかった。 　指揮官は「今日勝ったのは、香西のけん制２つ。これがすべてですね」と褒めたたえた。「向こう（法大）からしたらどうしても先に進めたい状況。そこを逆手にとってというところ。本当に大事なところでああいうかたちでピンチをしのいだ」と疲れ切った表情ながらも満足げ。その磨かれたけん制には理由があった。「春の沖縄キャンプに矢野さん（暢生、１９７１年入学）が来て、サウスポーにけん制の仕方を伝授してくれた。そのおかげで今日勝ったようなもの。早速、矢野さんにはお礼のメールをしました」。早大、日本生命でプレーしたＯＢの指導の効果は抜群だった。 　第１週の東大戦の失点は香西が失った１点のみ。しかし、「東大に点を取られない１年間にしたかった」と浮かない表情だった指揮官。それだけに「あいつは相当悔しかったんじゃないですか。そんなこともあったのでなんとかしたいと思っていた。彼も頑張ってくれてよかったですよ」とうれしそう。２年生ながらすでに通算１５登板、失点はまだその１点のみ。セットアッパーへの信頼は変わらない。（臼井　恭香）