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“今”生きるための幸せの秘密描く、井上芳雄&坂本真綾「ダディ・ロング・レッグズ」開幕

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ステージナタリー

「ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~」が、本日9月4日に東京・シアタークリエで開幕。それに先駆け、昨日3日に公開ゲネプロが行われた。 【写真】ミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~」ゲネプロより。(メディアギャラリー他16件) 2012年に初演され、そのあとも上演が重ねられてきた本作は、ジーン・ウェブスターの小説を原作に、脚本・演出をジョン・ケアード、音楽・作詞をポール・ゴードンが手がけるミュージカル。過去作に引き続き、今回もジャーヴィス役を井上芳雄、ジルーシャ役を坂本真綾が務める。なお、坂本はジルーシャ役で第38回菊田一夫演劇賞を受賞した。 孤児院育ちの少女ジルーシャ・アボットは、とある金持ちの男性から文筆の才能を目にかけられ、大学進学への資金援助を受けることになる。その男性は、支援の条件として、月に一度自分に宛てた手紙を書くように求めるが、自身は偽名を使用し、素性を明かそうとしない。彼について“足が長い”という情報しか得ていないジルーシャは、彼に、アシナガグモを意味する“ダディ・ロング・レッグズ”という名前を付ける。そんなミスター・ダディ・ロング・レッグズのことを老人だと思い込むジルーシャだったが、実は彼の正体は、若き慈善家のジャーヴィス・ペンドルトンで……。 アクティングエリアは、ジャーヴィスの書斎と、いくつものトランクケースが積まれたスペースに分かれている。冒頭、その舞台上はどこか閉鎖的で窮屈な印象を観客に与えるが、物語の展開に合わせて、本棚の奥に大学や農場の風景が透けて見え、大きな窓が現れるなど、舞台空間は徐々に広がりを見せていく。また、舞台下手側にはピアノやチェロといった楽器の演奏者が控えており、彼らの生演奏により、2人の関係性や心の成長が、臨場感を持って描かれた。 井上は、愛に臆病なジャーヴィスを、役柄の人間味を際立たせながら立ち上げた。適度な距離を持って接するつもりが、ジルーシャの手紙に魅了され、ついには正体を明かさずジルーシャの前に姿を現してしまうジャーヴィスを、井上は紳士的な佇まいの中に、カッコよく見られたいという滑稽さをにじませながら演じ、観客の笑いを誘う。しかし、自室で1人、ジルーシャの名を切なげに歌い上げるシーンでは、ジルーシャに正体を偽っている自分への嫌悪感と孤独を垣間見せ、また自分の行っている支援に対し「結局助けられているのはどちらか」と苦悶するナンバー「チャリティ」では、ジルーシャへの深く繊細な愛情を表現。か細く美しく響く歌声に会場は拍手で包まれた。 坂本は、愛らしくユーモアがあり、自分の感情に嘘をつけないジルーシャを等身大で演じる。歌詞とセリフに繰り返し登場する「ダディ」という一言で、坂本はジルーシャのはつらつとした感情を豊かに表現。ジルーシャにとって“ミスター・ダディ・ロング・レッグズ”が、家族のような、特別な存在であることを強調した。また、井上演じるジャーヴィスとは反対に、愛することに物怖じしないジルーシャを、坂本は凛とした芝居で立ち上げる。農場で過ごした、ジャーヴィスとのかけがえのない時間を歌う楽曲「幸せの秘密」では、目の前にある幸福を享受しようとするジルーシャの瑞々しい感受性を、坂本は透明感のある歌声に込めた。 開幕に向け、井上は「出演者は二人、舞台上ではずっと距離を取り続けていて、今を生きるための幸せの秘密を届ける物語。初演からずっと一緒の同志・坂本真綾さんと共に、劇場でお客様をお待ちしています」と語り、坂本は「日々のささやかな幸せをできるだけ大きく感じられるように、そして訪れる障害をなるべく笑ってやり過ごせるように。きっと多くの方がまさに今欲している何かが、この物語に詰まっています。ご来場くださる皆様と一緒に優しい気持ちを分かち合えること、心から楽しみです。本当に、忘れられない公演になりそうです」と思いを述べた。 上演時間は、30分の休憩を含む約2時間50分。シアタークリエでの公演は9月10日まで行われ、その後本作は、12日から14日まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、19日から22日まで愛知・御園座、24日から27日まで東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で上演される。 また明日9月5日には、井上と坂本によるトーク&ソングイベントがStreaming+でライブ配信される。同イベントでは、2012年から上演されてきた本作の8年間を振り返ると共に、劇中曲が披露される予定だ。なおアーカイブは配信終了後から9月8日17:00まで視聴することができる。併せてチェックしよう。 ■ 井上芳雄コメント このような時期に、僕たちが愛してやまない「ダディ・ロング・レッグズ」をお届けできることを心から嬉しく思います。 そしてこのような時期だからこそ、この作品が相応しいと信じています。 出演者は二人、舞台上ではずっと距離を取り続けていて、今を生きるための幸せの秘密を届ける物語。 初演からずっと一緒の同志・坂本真綾さんと共に、劇場でお客様をお待ちしています。 5日には配信のイベントもあります。お楽しみください! ■ 坂本真綾コメント この作品に帰ってくるたび、ジルーシャの強い意思と豊かな感受性に触れて私も力が漲ります。日々のささやかな幸せをできるだけ大きく感じられるように、そして訪れる障害をなるべく笑ってやり過ごせるように。きっと多くの方がまさに今欲している何かが、この物語に詰まっています。 ご来場くださる皆様と一緒に優しい気持ちを分かち合えること、心から楽しみです。本当に、忘れられない公演になりそうです。 ■ ミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~」 2020年9月4日(金)~10日(木) 東京都 シアタークリエ 2020年9月12日(土)~14日(月) 大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 2020年9月19日(土)~22日(火・祝) 愛知県 御園座 2020年9月24日(木)~27日(日) 東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) 原作:ジーン・ウェブスター 脚本・演出:ジョン・ケアード 音楽・編曲・作詞:ポール・ゴードン 編曲:ブラッド・ハーク 翻訳・訳詞:今井麻緒子 □ キャスト ジャーヴィス・ペンドルトン:井上芳雄 ジルーシャ・アボット:坂本真綾

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