新世代のベストは「E」! ミニ・クーパーへ試乗 走りの特徴はエンジン版に酷似 航続距離は充分アリ
航続距離は充分 新世代のベストはE
回生ブレーキの強さは、タッチモニターを介して調整できる。交通状況などに応じて変化するアダプティブ・モードの他、弱、中、強という3段階。セレクターをBにすれば、ワンペダルドライブにも対応する。 バッテリーEVなら、タコメーターが不要になる。ダッシュボード中央の、大きなタッチモニターが担う情報は1つ減る。グラフィックは美しいが、メニュー構造は褒めにくいから、ナビ画面のままにしていた方がストレスは小さいだろう。 今回は少し長めに試乗でき、平均的な電費も確かめられた。適度に温かい初夏の条件なら、高速道路を走らせても、郊外の道を飛ばし気味に流しても、6.4km/kWh以上は得られる様子だ。 この電費から換算すると、現実的な航続距離はEで250km、SEでは330km程度。普段使いが中心のコンパクト・ハッチバックとして、不足ない数字といえる。先代のミニ・エレクトリックより、遥かに遠くを目指せる。 長距離移動の頻度が少ないなら、乗り心地や軽快感ではEの方がベター。英国価格も、SEよりお手頃だ。内燃エンジン版のクーパー Cなら、充電を気にせず運転できるが、完成度の高さでいえば、新世代のベストは電気モーター版のEといえそうだ。 走行中の環境負荷を最小限に抑えつつ、運転を気軽に楽しめるミニ・クーパー。AUTOCARでは、アバルト500eとの比較試乗を予定しており、面白い内容になると期待している。アルピーヌA290との三つ巴も興味深いが。 ◯:余裕の生まれた航続距離 広くなった車内空間 好印象なインテリア しっかり運転が楽しい △:重さを感じさせる駆動用バッテリー スタイリングとインフォテインメント・システムの印象は意見が分かれそう
ミニ・クーパー E クラシック(英国仕様)のスペック
英国価格:3万ポンド(約612万円) 全長:3876mm 全幅:1744mm 全高:1432mm 最高速度:159km/h 0-100km/h加速:7.3秒 航続距離:302km 電費:7.2km/kWh CO2排出量:- 車両重量:1540kg パワートレイン:同期他励電気モーター 駆動用バッテリー:36.6kWh(実容量) 急速充電能力:95kW 最高出力:183ps 最大トルク:29.5kg-m ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)
イリヤ・バプラート(執筆) 中嶋健治(翻訳)