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記録史から見る感染症(4)~真正面から向き合う医療現場~

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MBSニュース

今年4月、国内の感染者数は1万人を超えました。軽症や症状の無い陽性患者はホテルなどの施設に隔離し、感染拡大を防ぐ措置が始まっています。心配されているのは医療者のウイルス感染による医療崩壊の危機です。

4月14日に会見した富山市民病院の担当者は涙ながらに訴えました。 「500人あまりの看護師のなかで100人以上が自宅待機となっており、看護師はぎりぎりの人数で運営している。家に帰れず車中泊をしている職員もいる。病院内に寝泊まりできる場所もあるが、お子さんを預けられず仕事に出てこられない職員が多くなれば(医療)崩壊が起きてしまう。」(富山市民病院の担当者)

院内感染が起きると外来などの診療は停止され、感染した医療者はもちろん、接触した職員も自宅待機となり、その影響は計り知れません。救急搬送された患者が後になって陽性と判明するケースや、陽性なのに症状のない人が知らないうちに感染を広げている場合もあり、目に見えないまま感染は広がり続けています。

感染症指定医療機関の感染対策はどうなっているのか。今回特別に取材をさせてもらいました。大阪・羽曳野市にある「府立大阪はびきの医療センター」。古くから結核患者の治療施設として知られています。これまで、約50人の新型コロナウイルスの患者を受け入れてきました。ここに初めて患者が運び込まれたのは今年2月下旬。ダイヤモンド・プリンセスの外国人の乗客3人でした。

「来られたのが午前3時5分、普通の時間に来ると何が怖いかというとほかの患者さんがいるのであえて深夜に搬送されてきた。」(感染症チーム委員長 橋本章司医師)

3人はいわゆる無症状の陽性患者で横浜から搬送されてきました。全員60代、夫婦一組と女性1人で、発熱などはほとんどなく、ほかの患者との接触を断つため深夜にやってきました。

入院初日、CTで肺の撮影をしたところ、全員に小さな影が見つかりました。 「CTで見ると肺の下の部分、端に影がべったりと映っていた。結核は上にある。おそらく軽い肺炎をすでに起こしていたのではないか。」(橋本章司医師) 肺の外側に見える白い影。今では、よく言われている新型ウイルスの典型的な特徴でした。 「下にべったりとあるのがコロナによる影。すりガラス影と呼ばれるもの。ウイルスの肺炎の特徴。」(橋本章司医師) 約1週間後には影は消え、全員退院しました。自覚症状のないまま肺の奥に潜むウイルス。この時にはまだ、よくわかっていませんでした。

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