広島強殺未遂・放火事件、容疑の元野村証券社員を 広島地検 現金1787万円は2階寝室の押し入れから盗んだか
広島市西区の民家で7月、住人の高齢女性に薬物を服用させて建物に放火し、現金を奪ったなどとして、広島地検は20日、神奈川県の無職の男(29)を強盗殺人未遂と現住建造物等放火の罪で起訴した。 【画像】移送される被告 起訴状などによると、被告は7月28日午後5時35分ごろから7時45分ごろまでの間、西区の無職男性(86)方の1階で、妻の会社役員女性(84)に睡眠作用のある薬物を服用させてこん睡状態にさせた上、2階の寝室の押し入れにあった現金約1787万円を奪い、寝室の押し入れ内とその周辺に何らかの方法で火を放った疑い。火は寝室の壁や天井などに燃え移ったが、夫婦は火災に気付いて屋外に避難した。 火災当時、被告は野村証券の社員で、夫婦は顧客だった。捜査関係者によると、被告は当初、「現金を盗んだが、放火はしていない」と供述していたが、その後、放火への関与をほのめかす供述を始めたという。 広島県警は10月30日、火災当日に奪った現金は約2600万円として被告を逮捕していた。逮捕後の捜査でこの日に奪ったのは約1787万円で、それ以前に約800万円を夫婦の自宅から盗んでいたことが判明したという。県警は今後、窃盗容疑については追送検する方針。 被告は、火災後に為替相場の変動などを予想して投資する金融商品に投資していたことが捜査関係者への取材で判明。一方、被告は夫婦宅から持ち出した現金について「別の顧客から預かった投資金で損失を出し、穴埋めに充てた」と関係者に話している。
中国新聞社