【業界初の循環型リサイクル】JLR新しいシートフォームを開発、製造 生産規模テストは2025年初頭
英国ゲイドン発
JLRは、使用済み車両から回収したポリウレタン製シートフォームを新しいシートに再利用できるようにした。これにより、循環型リサイクルにおいて大きな技術的進歩をしたことになると発表した。 【写真】JLRのコンセプト含めたクルマたちをみる (104枚) これは、DowのMobilityScienceマテリアルの革新と、自動車用シートの世界的リーダーであるAdientとの協力によるもので、循環型シートフォームを自動車に利用することに成功したのは初めてのことだという。 ラグジュアリー車両メーカーのJLRは現在、このマテリアルをすでに製造工程に投入しており、来年初めにはプロトタイプ車両を使って大規模な使用テストの実施を目指している。 ポリウレタンフォームは耐久性を重視して設計されているため、リサイクルが難しいことで知られており、また、最終的には埋め立て地に廃棄され、数世代にわたり土壌に残る可能性がある。従って循環型のサプライチェーンを構築することで、JLRは排出量の低減、廃棄物の削減、車両用低炭素シートフォームの安定供給を実現できるようになると述べている。 リサイクルフォームは新しい「循環型シート」を構成する要素のひとつとなり、高性能を維持しながらCO2e(二酸化炭素換算)排出量を半減させ、1シートあたり44kg以上のCO2eを削減できると試算されており、これは、スマートフォン約3000台を充電するのに相当する。
JLRの見解は?
■JLRのチーフ・サステナビリティ・オフィサー アンドレア・デベイン 「このような方法がもつ可能性にとても期待しています。今までにない方法で物事に取り組む姿勢を示すものであり、未来の自動車をデザイン、エンジニアリングするために必要なソリューションを見つけ、あらゆる角度からアプローチを再考するよう、私たちを促してくれています。 リサイクル業界やマテリアル科学業界の専門家、サプライチェーンのパートナー、エンジニアリングやエンジニアリングのチームとの緊密な協力が鍵となります。大規模で有益な変化を実現するには、バリューチェーン全体で取り組む必要があります。 ここで得られた知識とアプリケーションは、完全な循環型社会が実現可能であることを示しており、私たちの変革にとって不可欠なものになっています」と述べている。