【山口県】右折できない?聞いてない! 周南市、住民に説明なく6年
市道拡幅とセットで中溝交差点消滅
山口県周南市の市道中溝線の拡幅工事に伴う中溝交差点の変更計画の住民説明会が4月27日、同市大神の地域交流センター(ほのぼの会館)で開かれた。
同交差点を利用する地域住民にとって利便性が損なわれる計画だが、6年前、市が事前に開いた住民説明会では中溝線拡幅の説明のみ。この日の説明会は2年前に同交差点の変更を知った中溝自治会が市に開催を要請したもので、集まった住民は不信感を募らせた。 市は国道2号と市道川崎・平野線を結ぶ市道中溝線を重要な幹線道路と位置付け、歩道の確保と車両交通の円滑化を目的に中溝線の拡幅を計画。2016年9月に県の認可を受け用地買収などを進めている。26年3月までに事業を完了する予定。 中溝線拡幅とセットで工事対象としている中溝交差点は、国道2号線と市道新南陽山手線を結ぶ信号ありのT字型で、現在は国道、市道のいずれからも右折可能。中溝線と国道2号との交差点からは90メートルで、市は近接する信号交差点の集約を理由に、中溝交差点の信号を無くして国道上に中央分離帯を設け、市道からは左折だけ可能とする計画だ。
現在、新南陽山手線から交差点で右折して国道2号を下松方向へ進む車、防府方面から交差点を右折して新南陽山手線に進む車は、変更後は中溝線、川崎平野線、新南陽山手線と川崎平野線を結ぶ市道浜田線を経由して約850メートルをコの字型に迂回する必要がある。 これまでの中溝交差点利用者にとって、国道2号に出るまでの距離が増え浜田線の交通量の増加で時間もかかることが懸念されるが、市都市整備部は利用者が多い近隣自治会への説明をしていなかった。 この日は、4月1日に着任した都市整備部市街地整備課の中川勝彦課長ら市職員6人が出席。参加した中溝自治会の住民ら約20人に、中溝交差点の変更計画の説明がこれまでなかったことを陳謝した。 参加者らは6年越しで初めて説明する市の姿勢に憤り、計画の見直しを要求した。市は中溝交差点近隣の他の自治会にも説明会を開くと回答。今後の動向が注目される。