「ゆんぬ学」へ生かそう 教員向けアイデア研修会 与論町
鹿児島県与論町独自の教育プログラム「ゆんぬ学」の教員向け研修会が28日、与論町役場であった。同町と連携協定を結ぶ鹿児島大学の南九州・南西諸島域イノベーションセンターが主催。藤枝繁センター長が講師を務め、参加した町内の小中学校、高校の教員ら20人に魅力的なアイデアをつくるための発想法を伝授した。 ゆんぬ(与論)学の授業は「島だちの教育」を理念に、子どもたちが海に囲まれた島の人・自然・文化・心などを教材として主体的に学び、自立した人間性や探究心を身に付けることが目的。小学3年から中学3年までの全学年で行われ、高校の総合的な探究の時間「ゆんぬ」と合わせて、10年間の学びとなる。 漂着物学が専門の藤枝氏は2018年から同町の海洋教育に携わり、生徒や地域住民に向けた講話なども行っている。 研修会で藤枝氏は「既知のものの組み合わせ」や自分の「やりたいこと(行動)」「好きなもの(価値)」「興味のあるもの(学び)」がアイデアの源泉となることなどを伝えた上で、「面白いと思う物事を掛け算する」など、実践的なアイデアの発想法を紹介した。その後参加者は、授業アイデアを考えグループ内で共有し合った。 与論高校でゆんぬ学を担当する猶木香奈さんは「生徒にアイデアを出したり、アドバイスをしたりしてしまうことがあるが、生徒の興味や関心の理由を深掘りして対話することを心掛けたい」と感想を語った。 藤枝氏は「いろいろな視点でアイデアの種をためて、それを膨らませるのではなく、ぶつけることで面白いものをつくってほしい」と話した。