東京のコロナ感染「急速な感染拡大の危惧」減少傾向から反転
●接触歴等不明者数・増加比「94.0人」「114.6%」
今週の新規陽性者における接触歴等不明者数(7日間平均)は、先週の82.1人から94.0人に増加した。増加比については、先週の75.8%から114.6%と大幅に上昇した。8月11日に100%を下回ってから約1か月ぶりに大台を超えた。「新規陽性者が依然多い状況で、接触歴不明者の増加比が100%を超えて再び増加に転じた。今後の急速な増加が強く危惧される状況にある」と注意を促した。 感染経路が不明な人の割合は先週の55.3%から51.9%(9月16日時点)に減少した。 ※国の分科会が示した「指標と目安」に当てはめると、「感染経路不明者の割合」は「ステージ3」の基準である50%を超えている。
医療機関は一息つく間もなくインフル流行期に
医療提供体制については、東京都医師会の猪口(いのくち)正孝副会長が説明。「入院患者数は高い水準で推移したまま反転した。医療機関はほとんど一息つくことがないまま、次のインフルエンザへの対応を迫られる状態になったことがほぼ確定したのではないか」と医療機関などの負荷と疲労の蓄積を懸念した。
●入院患者数「1149人」
9月16日時点の入院患者数は、先週の1248人から微減し、1149人。ただ「増減を繰り返しながら依然として高い水準」(猪口氏)であり、新規陽性者数や接触歴等不明者数の増加比が100%を超えたことを踏まえ、「入院患者数が急増することへの厳重な警戒が必要である」とした。今週の新規陽性者のうち、無症状の陽性者の割合は18.0%だった。 宿泊療養施設は現在3044室を確保。それに対し、9月16日時点での利用者は272人で、自宅療養者は409人だった。秋以降に想定されるインフルエンザ流行に向け「感染者の再増加への備えを具体的に検討する必要がある」とした。 ※国の分科会が示した「指標と目安」に当てはめると、「最大確保病床数(都は4000 床)に占める入院患者数の割合」は9月16日時点で28.7%と「ステージ3」の基準である20%を超えている(「ステージ4」の基準は50%未満)。また「現時点の確保病床数(都は2600床)に占める入院患者数の割合」は44.2%と「ステージ3」の基準である25%を大きく上回っている。