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コロナ禍の中国株上昇で習近平体制に吹く「追い風」

配信

ダイヤモンド・オンライン

● 米国を上回る株価上昇 上海株指数は年初来10%強  中国の主要な株価指数である上海株指数が、ここにきて上昇ペースが一段と加速している。年初来の上昇率が10%強に達しており、依然として年初の水準を回復できていない米国のS&P500指数と比べると、その差が明確になってきた。 【この記事の画像を見る】  しかも、ITセクターや消費関連のような特定業種だけでなく、素材やエネルギーのような国際市況の影響を受ける業種を除く広範な業種に上昇が広がっている。  このため、海外、特に米国市場でも中国株に関するレポートが多数発行されるなど、投資家による関心の高まりがうかがわれるが、中国の政策当局にとっても中国株上昇の意味合いは大きい。  株価上昇(図表1)の背景として、基本的には、中国が新型コロナウイルスを早期に抑制することに成功し、少なくとも内需に関しては経済指標も順調に回復するなど、相対的に良好なファンダメンタルズを示していることがある。これが投資家から前向きな評価を得たということだろう。

 また、「ポストコロナ」の産業政策についても、ブロックチェーン技術を活用した経済全般のデジタル化という明確な方針が示されている点が好感されている面もある。  株価上昇の裏で、中国メディアに株式の「買い推奨」とみられる動きがあったことや、米国に上場していた企業に不正経理の疑いがあることなどが報道されたりはしているが、中国経済のファンダメンタルズが強固なことを考えると、大きな支障はないと投資家には見られているのだろう。  新型コロナウイルスの感染拡大が足元でむしろ加速し、経済の先行きに対する不透明性がなお強い米国とは対照的だ。 ● 大きい政策的な意味合い 外貨蓄積で金融システム安定化  こうした株価の顕著な上昇は、中国の政策当局にいくつか大きなメリットをもたらすことになる。  第一に、株価上昇が投資家の保有資産を増やすことで、消費に対する刺激効果を生むことだ。  中国では、インターネットを通じた取引の拡大などを通じて、若年層を含めて従来に比べてより広範な投資家に参加機会が提供されている。資産効果も従来以上に強まることが期待できる。  この点は、新型コロナウイルス問題で外需の回復が当面は難しいなかで、中国政府にとっても内需をけん引車とする経済回復を進める上で有用である。  景気を刺激する上で、補助金や助成金の配布のように財政に対する大きな負担を伴わないだけでなく、住宅や不動産の価格が顕著に上昇した場合のように、家計が住宅ローンなどで過度な借り入れを背負うという副作用も回避できる。  より長い目で見れば、株式市場の活況は、企業の資金調達が円滑に行われる効果が期待できる。中国でも、伝統的な銀行部門による新興企業への資金供給は長年の課題だっただけに、資本市場での資金調達が緩和的に維持されることは、上に見た経済のデジタル化に向けたイノベーションの促進にも役立つ。

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