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日本、国際機関で存在感低下 国家安保局主導で人材育成

配信

時事通信

 国際機関のトップを含む重要ポストに日本人が就任する機会が近年少なくなり、政府は日本の存在感低下に危機感を強めている。  中長期的な対策として、国家安全保障局(NSS)に4月に新設した経済班が主導的役割を担い、国際的に活躍できる人材育成を戦略的に進めるための体制を強化する。  国際機関トップを務めた日本人としては、松浦晃一郎・国連教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長(1999~2009年)、在任中に死去した天野之弥・国際原子力機関(IAEA)事務局長(09~19年)が知られる。近年では関水康司・国際海事機関(IMO)事務局長(12~16年)の例もある。  また、国連難民高等弁務官の故緒方貞子氏や、国連事務総長特別代表としてカンボジア和平に尽力した明石康氏の活躍は記憶に新しい。  だが、現在では15ある国連専門機関で日本人トップはゼロ。外務省によると、国連関係機関では軍縮担当上級代表を担う中満泉・国連事務次長が最高位で、世界保健機関(WHO)の山本尚子事務局長補らがこれに続くとされる。  これに対し、日本を抜き世界第2の経済大国となって久しい中国は、国連食糧農業機関(FAO)など四つの国連専門機関のトップを占める。中国がアフリカなどの発展途上国に対して資金力に物を言わせた援助外交を展開、選挙での多数派工作が奏功したためとみられている。  また、8月末に退任する世界貿易機関(WTO)事務局長の後任を決める選挙には、韓国も候補者を擁立した。今後は一層、主要ポストをめぐる争いが激しくなると見られる。  日本人が目立たなくなった背景の一つとして、外務省関係者は「最近の国際機関トップは各国の閣僚経験者が多い」と語り、候補者の経歴の差を指摘する。この点、職業外交官出身が多い日本の候補者が、他国に見劣りするのは否めない。  政府はトップに限らず、国際機関の職員を増やして裾野を広げようと、人材育成に地道に取り組む方針だ。NSSを中心として、語学力や国際経験、専門的知見を有する人材育成に取り組む。また、内閣人事局とも連携して、各省庁に散らばる将来のトップ候補者を一元的に管理し、候補者擁立に当たってポストや時期を戦略的に選択する体制づくりを進める。 

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