オンラインフェス『氣志團万博2020 ~家でYEAH!!~』の“#最高かよ!”だった5曲
「ワレワレハニンゲンダ」('19)/渋谷すばる
18年に関ジャニ∞を脱退し、19年にソロアーティストとしての活動を開始。『氣志團万博』初出場であり、フェス初出場となった渋谷すばる。「この時期に僕ができること、全力でやらせていただきます」と、万博に懸けるアツい想いを綾小路に語ったという彼。その言葉を体現するような気合いと気概に満ちたステージは、圧巻のひと言。骨太なバンドサウンドに乗せた渋谷の歌声は真っ直ぐで人間臭く、自身から湧き出る言葉たちが心震わせる。ジャニーズ時代から歌唱力に定評の高い彼だが、自身のバンドで自身の言葉で歌う楽曲たちに込めた想いやその説得力からは、歌唱力の高さよりも生命力や人間力の高さを感じた。次に観る時は、生で一緒に「ニンゲン!ニンゲン!」って叫びたい!
「浪漫飛行」('90)/米米CLUB
『氣志團万博』は3年振り2度目の参戦。ステージを埋める20人弱のビックバンドで登場し、ゴージャスで華やかなステージングを観せてくれた米米CLUB。わずか30分の短いステージながら、見事な演出と構成によるハイクオリティーなショーは最初から最後まで最高だったが。中でも「浪漫飛行」が始まった瞬間は、ゾワワと鳥肌が立つほどの興奮と喜びがあふれた。時代や世代も超えて、誰もが知ってる普及の名曲。カールスモーキー石井の歌声や巧みな演奏に魅了されながら一緒に口ずさんでると、高揚感と多幸感がじわじわと訪れる。生で観れなかったことが本当に悔やまれるが、空の向こうに連れて行かれるような心地良さに包まれて、家にいることも忘れたあの感覚は配信フェスならではだったかもしれない。
「No Rain,No Rainbow」('20)/氣志團
初のオンライン開催となった『氣志團万博』の殿(しんがり)として登場した、フェス主催者の氣志團。「みんなの笑顔がこんなに愛おしいと思ったのは始めて」と語り、カメラの向こうにいるオーディエンスとのつながりを確認しながら、アグレッシブなステージで笑顔を与えてくれた彼ら。代表曲「One Night Carnival」に続き、本編ラストに演奏したのは『氣志團万博2020』のテーマ曲であるこの曲だった。雨が降らなきゃ虹も出ないという、ハワイのことわざをタイトルに付け、《くよくよすんな》と笑顔で肩を叩いてくれるこの曲。嫌なことも忘れて笑顔になれるロックフェスを表現した痛快なロックンロールに乗せた《大丈夫 うまくいくさ》の言葉は心強く、聴く者を自然と笑顔にする。家にいながらフェス気分も十分に味わえた、楽しすぎる『氣志團万博』を締め括るに相応しい一曲だった。 TEXT:フジジュン フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。
OKMusic編集部