なんでこんなことに…年金月32万円・貯金5,000万円の60代元公務員夫婦、最後の贅沢〈高級老人ホーム〉入居で“最高の老後”が一転、3年後“家賃6万円の築古1R”に引っ越したワケ【CFPの助言】
定年退職を機に、“最後の贅沢に”と高級老人ホームへの入居を決めた元公務員の仲良し夫婦。十分な年金額に多額の貯金、入居後の生活をシミュレーションしても、なんの問題もありませんでした。しかし、夫婦を待ち受けていたのは“まさかの未来”だったのです……老人ホームなどの施設選びにおいて「見落としがちな注意点」について、事例をもとにみていきましょう。牧野FP事務所の牧野CFPが解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
人生最後の贅沢…〈高級老人ホーム〉に入居を決めたA夫妻
「おい、母さん! あの老人ホームが載っているよ!」 3年前のある休日の朝、Aさん(60歳)は、朝刊を読みながら、妻のBさん(59歳)に話しかけました。 長年お互い公務員として勤めたAさんは今年定年退職して、妻のBさんも来年定年退職の予定です。A夫妻はこれまで家計を節約して、真面目に働いてきたのだから、老後は老人ホームにでも入って優雅にのんびり暮らしたいね。と話し合っていました。 そんな矢先、自宅の近所にタワーマンションのような高級老人ホームができることを知りました。いくら位で入居できるんだろうと話していたタイミングで、Aさんが見つけたのです。夫婦は「物は試し」にと早速予約を取って老人ホームへ見学に行きました。 施設は、1LDK約48㎡の広々とした居室はもちろんのこと、ロビーラウンジにダイニング、大浴場や庭園など、それぞれ驚くほど奇麗で、医療、介護などにも対応する充実した設備に、夫婦は感動しました。スタッフに話を聞くと、こうした自立型の施設は早ければ50、60代から住む人も少なくないということです。 A夫妻は施設と案内してくれたスタッフのことを気に入り、「ここで暮らそう」と、他の老人ホームを見学することなく心に誓いました。 唯一、結婚して遠方に住むひとり娘の反応が心配でしたが、娘にその旨を伝えたところ「なかなかそっちに帰れないから、施設に入ってくれるのは私としても安心」と賛成してくれました。 老人ホームへの入居が現実味を帯びてきた夫婦は、入居して生活するのにどれだけの資金が必要で、また自分たちは用意できるか計算してみることに。 地元の不動産業者は「すでに住宅ローンを払い終えた戸建ての自宅を売却すれば、立地の良さもあってすぐに売れるだろう」と、太鼓判を押してくれました。また、自宅の売却代金とは別に、夫婦の退職金を含めた貯蓄は約5,000万円。65歳からの夫婦の老齢厚生年金の受給額は月約32万円と、入居する準備は整っていると夫婦は確信しました。
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