90年代スーパーモデル、アンバー・ヴァレッタが推進するファッション界のサステナビリティ
ナチュラルな美しさで90年代世界を魅了したスーパーモデルのアンバー・ヴァレッタ。現在48歳の彼女は、使い捨てを見直し、正しく作られたより良いものを消費することこそ真のファッションだと説く。 【写真】2020年2月、サステナブルスタイルアワードに出席した時のアンバー・ヴァレッタ。 「学生、教育者、そしてFITと連携し、このような機会を得たことに感激しています。資金調達とカリキュラムの両面からサステナビリティを重視するFITの姿勢こそ、クリエイティブ産業の未来にポジティブな変化をもたらすものだと考えています」 2021年9月、NY・マンハッタンのFIT(ファッション工科大学)初のサステナビリティ・アンバサダーに就任に際しこう語ったのは、90年代を代表するスーパーモデルの1人、アンバー・ヴァレッタだ。 1974年、イタリア&ポルトガル系の父とネイティブ・アメリカンのルーツを持つ母のもと、アリゾナ州に生まれオクラホマで育った彼女がモデルデビューを果たしたのは15歳の時。母の勧めで地元のモデルエージェンシーのスクールに通っていたところ、すぐさま米「ヴォーグ」を始めとするメディアに抜擢されスーパーモデルへと急成長した。また、同誌の「モダンミューズ」の1人にも選出された彼女は、その後「Drop Back Ten」(2000)で女優としてもデビュー。その多岐にわたる才能で世界を魅了した。 現在48歳の彼女は、デビュー以来ずっとファッション界におけるサステナビリティを模索し続けてきた環境活動家でもある。そして自身のモデルとしてのキャリアを活かし、2021年にFIT初のサステナビリティ・アンバサダーに就任。財団の理事も務める彼女は、同校が2019年に開催したサステナブル・ビジネス&デザイン会議で基調講演を行ったり、サステナブル・アワード・ガラではホストも務めるなど、役職就任以前から精力的に活動を続けてきた。そんな彼女は、活動家としての自身をこう表現する。 「私は自分自身が“サステナブル・ブランド”だと思っています。私は自然が大好きですが、それは私が売りたいものではありません。私が売りたいのは、正しい方法で作られたハイファッション。そういう点で、私自身がサステナブル・ブランドであり続けなければ意味がないのです」