競合他社製品の半額以下…TOMPLAが開発、低価格200万円ドローンの性能
TOMPLA(新潟市中央区、藤本高史社長)は、安価な狭小空間点検飛行ロボット(ドローン)を開発し、受注活動を始めた。高性能センサー「LiDAR(ライダー)」などを使わず、複数の小型センサーの組み合わせと手動飛行形式を採用。これにより価格を消費税込みで200万円前後と、競合他社の製品の半額以下に抑えた。低価格である点に加えて操作のしやすさも訴求し、初年度100機の受注を目指す。 新開発の「スモールドクター02=写真」は、機体寸法が幅255ミリ×長さ310ミリ×高さ98ミリメートルと小さいため、40センチメートル前後の狭小空間にも入り込める。工場内のダクト配管や天井などの点検用に売り込む。 機体重量はバッテリー込みで350グラム。リチウムイオン電池(LiB)で駆動し、約15分間飛行可能。LiBは乾電池のため、作業途中で切れたら新電池に交換して点検を続けられる。4Kタイプの高精細カメラを搭載する。またドローン操作に不慣れな人でも操作ができ、専門の運行会社に頼まなくても自社スタッフで行えるため、自由に点検できる。 契約企業には年間200万円以下の価格で提供。毎年契約を更新する形で、カメラやセンサーなどでより高性能の機器が登場したらTOMPLA側でバージョンアップする。 発電所や工場など向けの屋内点検ドローンは複数機種が製品化されているが、国産の機種は約500万円からの価格で販売されており、コスト面で導入障壁が高いのが現状だ。 TOMPLAは「高価格で手が出ない利用者の現状を考えて機能を飛行やホバリングなどに絞り、導入ハードルを下げた」(藤本社長)ことで、屋内点検業務向けのドローン市場を開拓。数年後には800機の受注を目指す。