「ニチアス」羽島工場アスベスト 元従業員の遺族と国、和解成立
建材メーカー「ニチアス」の羽島工場の元従業員の女性が、アスベストを吸い込んでじん肺になり、亡くなったとして、元従業員の息子が国に損害賠償を求めた訴訟は10日、岐阜地裁で、国が慰謝料など1430万円を支払うことで和解しました。 代理人弁護士によりますと、元従業員の浅野美代子さんは1965年から69年までの間に半年ほど、羽島市竹鼻町にある建材メーカー「ニチアス」の工場で臨時職員としてアスベストを量るなどの作業に携わっていました。 2017年にじん肺の認定を受け、おととし慢性呼吸不全で亡くなりましたが、業務上で発症したじん肺により死亡したとして労災認定されました。 浅野さんの息子・義法さんは、2019年11月、国に対して10万円の損害賠償を求める訴えを起こしていましたが、国が責任を認め、10日、岐阜地裁で国が1430万円を支払うことで和解が成立しました。 和解成立後、会見した義法さんは、母は臨時職員だったため就労期間の資料が不 足していたものの、母親から聞いた話などから働いていたことを証明できたと話しました。
※原告 浅野義法さん 「(訴訟が)難しいことも分かっていたし、証拠がないことも分かっていた。(弁護士から)連絡頂いた時は驚いたし有難いという思い。すでに亡くなった家族が親がそういえば(ニチアスに)勤めていたと言っていたということなどを少しでも思い出していただいて、何らかの形でしかるべき方に相談いただければ、弔いになるかなと」 アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団によりますと、東海3県で国と和解したアスベストに関する訴訟は今回で42件目だということです。