阪神・大山が残留表明 「(阪神は)いい意味でも悪い意味でもすごい球団。そこでやれる達成感は…」
国内フリーエージェント(FA)権を行使した阪神・大山悠輔内野手(29)が29日、兵庫県西宮市内の球団事務所で会見し、残留を表明した。2001年オフに日本ハムから移籍した片岡篤史、14年オフに海外FA宣言して残留した鳥谷敬と並ぶ球団最長の5年契約で、年俸3億4000万円プラス出来高払いのベース年俸計17億円、総額20億円規模で合意した。球団史上最大級の大型契約で、事実上の生涯タテジマ宣言。巨人の熱烈オファーを断った要因の一つに、虎党の存在を挙げた。 以下は一問一答。 ――決め手は。 「まずは監督、コーチ、スタッフ、裏方の皆さん、チームメート。もう1回、優勝、日本一を達成したい。その気持ちはすごくあった。あとはファンの皆さん。決めた理由は本当にいっぱいある」 ――FA宣言後の時間はどんな期間か。 「何がベストなのかを、ずっと考えていた。そういう意味では大変だった。逆にいろいろと考えられたので、すごくプラスになった」 ――いつ決断を。 「今日(29日)ですね。昨日の選手納会で選手、裏方さんと会う機会があった。そこで、いろいろ思うことがあった。帰って来て決めた」 ――チームメートとどんな話を。 「やっぱり裏方さん。1年間、お世話になった方々にあいさつをしている中で、いろんな言葉をかけてもらった。僕たちは裏方さんあっての選手。そういった方に必要だと言ってもらえて、うれしかった。残ってほしいという言葉をもらったし、どこに行っても応援しているよ、みたいな温かい言葉をたくさんもらった」 ――残留を伝えたチームメートの反応。 「僕の方から“来年もよろしくお願いします”と。“良かった”という言葉をかけてもらえた。本当にすごくいいチームメートに恵まれている。そのみんなとまた切磋琢磨(せっさたくま)しながら頑張りたいと思う」 ――他球団の評価を聞いて感じたことは? 「最大の誠意で交渉していただいた他球団にも本当に感謝したい。自分自身、勉強になることが、いろいろあった。本当に感謝しかない」 ――気持ちが他球団に傾いた時期はあったのか。 「はい。ありましたけど、本当に、そこのところで自問自答だった」 ――阪神からの言葉は。 「残ってもらえて、うれしいと言ってもらえた。また来年、優勝に向けてしっかり頑張ってほしいと」 ――阪神はどんな球団か。 「いい意味でも悪い意味でもすごい球団だと改めて思った。だからこそ、そこでやれる達成感は幸せなことかなと思った。甲子園の大観衆の中でやれることは、当たり前じゃない。それが本当に幸せなことだと思った。プレーで、その感謝の気持ちを返せるようにがんばりたい」 ――決めたのは今日と。最後の最後まで五分五分だった? 「本当にずっと考えていた。自分の意図しない記事が出たり、大変な時期が多かったけど、でも、そうやって考えていた時間もプラスになった。この経験をプラスにしないといけない。しっかり考えたからこそ覚悟を持って、5年という期間のまずは来年を、しっかり頑張りたい」 ――表情がすっきりして見える。少し楽になった? 「そうですね。ずっと悩んでいたので。でも、決めた以上は相当の覚悟を持ってやらないといけない。緊張感は、より増しているのは間違いない」 ――家族の存在。 「決断するにあたって、妻の存在が一番大きい。僕の決断に付いていくと言ってくれた。そう言ってもらえたことが、しっかり決断できた理由でもある。(FAは)なかなか相談できないこと。家族、妻に少し話を聞いてもらえることでプラスになった。そこは一番、感謝したい」 ――巨人を始め、いろいろな条件面の報道があった。条件以外の決断理由もあったか。 「それはもちろんある。報道と実際のところで違う部分もたくさんあった。周りの方々はそこを目にするので、自分の中ですごく葛藤があった。でも、自分でしっかり決断しようと思っていた」 ――もう気持ちは切り替わっているか。 「はい、決めた時点で。決めた瞬間は、決まったことに対しての安堵(あんど)感があった。そこで来年に向けてやるしかないと思った。そこはもう気持ちはできている」