生後1日目に手術をした息子『生存率2分の1』と告げられたその後…息子への母の思いとは
サトミさんの息子みなとくんは生まれたときから障がいがあり、8歳になった現在も脳性麻痺の一種である脳室周囲白質軟化症を患っています。 そんなみなとくんの障がいと、家族で乗り越え向き合ってきた日々について、サトミさんに話を聞きました。 【写真6枚】みなとくんの現在の様子(@satomi.3103.suzuさんより提供) ※脳性麻痺 脳性麻痺とは、お母さんのお腹の中にいる間から、生後4週間までの間に発生した脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害を指します。 【出典】国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター『脳性麻痺』:https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease26.html
大きな手術を何回も…
28週と1日、体重928gで超低出生体重児として生まれてきたみなとくん。小さく生まれただけではなく、食道閉鎖症(3,000人に1人だと言われる食道と胃が繋がっていない疾患)という病気もありました。 すぐに大きな病院に転院してしまったみなとくんとは産後会えず「とにかく生きてほしい」と願いながら、サトミさんは搾乳をしていました。 みなとくんは生後1日目には大学病院で手術を受け、そのときに告げられたのは、体重が1,500g以下だと生存率は2分の1。手術は無事成功しましたが、小さな体に負担をかけられないため一度では胃と食道を繋ぐことができず、胃ろうを作る手術をしたそうです。 さらに生後1ヶ月目には、動脈管開存症の手術。そして体重が少し増えた生後3ヶ月目には、 胃ろうを閉じて、胃と食道を繋げる手術をしました。生後5ヶ月目には気管軟化症のため、気管切開をして人工呼吸器をつける手術と同時に、鼠径ヘルニアの手術。 そのときに、蘇生してもらいながら大学病院まで救急搬送されたのと、生後すぐに手術をしてきたため、脳にも影響(脳室周囲白質軟化症)が出たのでは…といわれています。 生後1日目から手術をしてきたみなとくんですが、現在の症状は脳室周囲白質軟化症のため、手と足に麻痺があり、車いすで生活をしています。手は、手先の動きが器用にできないくらいで、 足は麻痺で思うように動かなかったことや、筋緊張が強いことから昨年、足の腱を10ヶ所切る手術をしました。 その後回復したみなとくんですが、つかまり立ちをすることも不安定です。すべて介助が必要ななかでも、日常の中で立つことも、歩くことも、みなとくんは前向きに頑張っています。 そんなみなとくんをサトミさんは「私よりみなとの方が大変だと思いますが、みなとはいつも弱音を吐かずに、どんなことでも『やってみる!』と笑顔で頑張っていて…そんなみなとから、いつも私がたくさんの元気をもらっています」と話してくれました。 サトミさんは、日常生活の中で大変だったことについて「車いすマークのある駐車場に屋根がありません。雨の日は、傘をさしながらではみなとを車に乗せられないため、2人とも濡れていました」と振り返ります。