三菱マテリアル、製錬工程の不純物分離を強化。今期中にアルミ分離設備開発
三菱マテリアルは、Eスクラップの増処理に向け、製錬工程で不純物となるアルミなどの金属成分の分離・回収を強化している。伊左治勝義執行役常務(金属事業カンパニープレジデント)は「すでにニッケル、錫は回収率を向上し、操業への影響を排除できている。アルミは前処理段階で物理的に分離する設備の開発を進めており、今年度中に完成する見込みだ」と説明した。 3日に開いた事業説明会でEスクラップの増集荷・増処理に向けた取り組みを紹介した。同社では、Eスクラップ中に含まれる様々な有価金属を効率的に回収するため、同社が有する多様な生産拠点(銅製錬、鉛製錬、貴金属製錬、錫製錬、白金族金属製錬)をつなぐマテリアルフローの最適化に取り組んでいる。その一環でこれまで積極的に分離・回収していなかった微量成分の分離・回収の強化と、回収した微量成分の製品化に注力している。 アルミの分離設備開発について伊左治常務は「どういう設備を作り、目標とする分離ができるかという検討を今年度中に完了させる予定だ。実設備導入はその先になるが、少し大きなプロジェクトになると思う」と話した。 アルミ、ニッケル、錫以外では「ルテニウム、ロジウム、プラチナ、パラジウムなどの回収率も向上している。(中期経営戦略期間である)この3年間で目標としていた水準以上の回収率アップは図れている」とした。