【有馬記念】武豊を熊沢重文さんが“直撃”…伏兵ダイユウサクに惜敗した91年、ドウデュースへの思いなどを語り尽くす
G1・5勝のドウデュース(牡5歳、栗東・友道)が連覇の懸かる「第69回有馬記念」(G1・22日・中山・芝2500メートル)でラストランを迎える。天皇賞・秋、ジャパンC、そして今回と、いわゆる秋の古馬三冠レース同一年完全制覇なるか。平地と障害、両方で騎手と活躍し、G1、障害重賞を予想する「競馬しようぜ!」で、おなじみの元騎手の熊沢重文さん(56)が、今年のダービーに続いて、武豊騎手(55)=栗東・フリー=にインタビュー。ドウデュースに騎乗する名手の胸の内に迫った。(構成・黒柳勝博) ◆武豊、目に涙を浮かべ弔辞を述べる【写真】 ―今年のダービーに続いて、2回目の2人の対談になります。親しい熊沢さんでしか武豊騎手に聞けないこともあるかと思います。今回もインタビュアーよろしくお願いします 熊沢さん(以下熊沢)「はい、よろしくお願いします。さっそくだけど、1週前の追い切りはどうだった?」 武豊騎手(以下武豊)「良かったですよ。いつもいい動きをする馬ですけどね。おとなしいですけど、元気はいいんです。それでいて落ち着いている」 熊沢「追い切りを見ていたけど、すごくいい雰囲気だなと思ったよ。使っていながら、状態が上がってきているよね」 武豊「本当にタフな馬なんですよ。追い切りは本当に乗りやすいし、いつもちゃんと動くし、余計なことはしませんから」 熊沢「見ていて、とてもスムーズな感じの調教だったように見えたよ」 武豊「はい。すごくゆったりでしたね。この秋がそうなんですよ。去年の秋なんかは、ちょっと力むところあったけど、この秋は調教も乗りやすいですから」 熊沢「完成の域にある感じだね」 武豊「本当にそんな感じです」 熊沢「でもこれで最後だと思うと、ちょっと寂しいんじゃない?」 武豊「やっぱり2歳からトップレベルでやってきて、ずっと活躍してきた馬ですからね。こんな馬、なかなかいないですよ。長く乗ったし、寂しいですよ」 熊沢「豊自身もいろいろあったからね」 武豊「そうですね。この馬に救われたところもあるし、最後なのでいい形で終わりたいです」 熊沢「それに向けて順調に来ている感じだね」 武豊「そうです。レースまで、もう後は無事にいってくれればですね」 熊沢「レースプランなんかはあるのかな?」 武豊「スタイルは崩さない、ということでいいのかなと思っています。他の馬も対策はいろいろしてくるでしょうから。ジャパンCもそうでしたけどね。ラストは確実に伸びてくれる馬なので」 熊沢「ジャパンCの時はよく我慢してたし、大したもんだよね。精神的にも強くなっている感じがするよ」 武豊「東京より中山の方が、直線が短いので、瞬発力を生かせる可能性があるし、実際に去年も勝っていますからね。ひとまくりで勝ってくれましたから」 熊沢「今年は戦いやすいメンバーという印象?」 武豊「いや、メンバーは結構そろってますね。ただ、厩舎スタッフは去年よりも状態はいいかもしれないと言っていたし、確かにそう思います」