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小池知事の発言検証、「バー」は法律上「接待を伴う飲食店」なのか?

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弁護士ドットコム

「若者にはカラオケ、ライブハウス、そして中高年にはバーやナイトクラブなど『接待』を伴う飲食店に行くことは、当面、お控えいただきたい。自粛していただきたいということでございます」 東京都の小池百合子知事は3月30日夜、臨時の記者会見を開いて、このように呼びかけた。新型コロナウイルスの感染が広がる中、感染経路が不明なうち、深夜に営業している飲食店で感染したと疑われる事例がみられるからだ。 しかし、小池知事のこの発言に対して、ネット上では、ある疑問の声があがっている。それは「バーは接待を伴う飲食店ではない」というものだ。はたして、どういうことなのだろうか。 ●感染リスクが高い「3つの密」が重なる場 小池知事は会見で、クラスター対策班からの報告として、夜間から早朝にかけて営業しているバー、ナイトクラブ、酒場など、「接客」を伴う飲食業の場で感染したと疑われる事例が多発していることが明らかになったとした。 さらに、「こうした場は、感染リスクが高いといわれる『3つの密』、換気の悪い『密』閉空間、多くの人が『密』集する場所、近距離での『密』接した会話が、より濃厚なかたちで重なる場となっている」と指摘した。 そのうえで、「とくに、若者にはカラオケ、ライブハウス、そして中高年にはバーやナイトクラブなど『接待』を伴う飲食店に行くことは、当面、お控えいただきたい。自粛していただきたい」と述べた。 ●法律上、バーは「接待」できない 一方で、いわゆる「風営法」では、小池知事の発言に関連する飲食店は、次のように規定されている。 (1)「深夜酒類提供飲食店営業」:深夜(午前0時~午前6時)、客に酒類を提供して営む飲食店営業(主食を提供する店は除く)。 (2)「特定遊興飲食店営業」:深夜、客に遊興させて、かつ飲食させる飲食店営業(酒類を提供して営むものに限る)。 (3)「接待飲食店等営業」:客を接待して、遊興または飲食させる営業。 さらに、「接待」は「歓楽的雰囲気を醸し出す方法で、客をもてなすこと」とされている。 つまり、法律上は、(3)が「接待を伴う飲食店」で、キャバクラなどが含まれている。しかし、ナイトクラブは(2)、バーは(1)に含まれているのだ。 ●東京都の回答は? 上記のように、小池知事の発言は「接客」と言ったり、「接待」と言ったりして、言葉がぶれている。単なる言い間違いの可能性もあるし、「接待を伴う」がバーにかかっていない、ということかもしれない。 東京都福祉保健局に聞いてみたところ、担当者は「小池知事の発言は、新型コロナウイルス感染症対策本部会議の資料にもとづいている。『3密』を避けるという趣旨・文脈での発言であり、あくまで例としてあげたものだ」と答えた。 正直なところよくわからない説明だが、資料にもとづく発言だったとすると、どうやら言い間違いの可能性が高そうだ。 新型コロナの本質ではないかもしれないが、こうした権力者の言葉の使い方がのちに尾を引く可能性はある。なお、都の新型コロナウイルス感染症対策本部会議の資料は以下のURLから確認できる。 ・(第15回)東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議資料 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1007288/1007556.html ・東京都:孤発例における特定業種に関連することが疑われる事例の集積 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/res/projects/default_project/_page/001/007/556/2020033003.pdf

弁護士ドットコムニュース編集部

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