JALとシンガポール観光局、チキンライス楽しむ成田遊覧飛行 新ランプタワー見学も
日本航空(JAL/JL、9201)とシンガポール政府観光局などは12月5日、シンガポールへの旅行気分を機内で体験できる遊覧飛行を成田発着のチャーター便で実施した。約3時間30分のフライトでは、シンガポールの名物料理をイメージした機内食が提供されたほか、同地への旅行券などの景品が当たる抽選会が開かれた。 【機内食はチキンライス】 ◆セントーサ島イメージしたルート チャーター便の発着地となった成田空港国内線搭乗口の待合室には、シンガポールの象徴とも言えるマーライオン像などの記念撮影スポットを設置。待合室入口では観光局の職員による模擬入国審査が行われるなど、海外旅行気分を盛り上げる演出がなされていた。また、パネルやチェックイン時に配布されたガイドブックを参考に、シンガポールについて学べる謎解きイベントなども開かれ、待合室は賑わっていた。 便名はシンガポールがマレーシアから独立した1965年にちなんでJL1965便。10倍の抽選を経て選ばれた149人(幼児1人含む)が搭乗した。フライトには国際線仕様のボーイング767-300ER型機(登録記号JA608J)が使用され、午後0時14分に第2ターミナル68番スポット(駐機場)を出発した。 JL1965便は、シンガポールのセントーサ島の地形を模した三角形の飛行ルートを飛んだ。成田を離陸後、北西に進み新潟上空で南西に針路を変え、大阪上空を通過して高知方面へ向かい、その後は太平洋上を東に進み成田へ戻るルートが採られた。 機内では、シンガポールの名物料理チキンライスの機内食が提供されたほか、各席のモニターにはシンガポールの観光動画が放映された。 ◆新ランプタワーや消防所見学ツアーも 今回の遊覧飛行イベントは、JALや観光局のほかJAL系旅行会社ジャルパック、成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)の4社による共催。出発前には、オプションとして「成田空港スペシャルバスツアー」が用意された。一般公開されていない空港内のエリアを巡る特別ツアーで、40人が参加した。NAAによると、約25倍の倍率だったという。 ツアーは専用バスによる移動で、9月10日に供用開始となった新ランプセントラルタワーや、A滑走路脇の消防西分遣所の見学会が開かれた。最初に訪れたタワーでは、高層部にあたる3階の回廊から空港内を見渡すことができ、写真撮影する参加者も多かった。その後は大型貨物機が駐機する貨物地区を通り、A滑走路を間近に望む西分遣所へ移動。目の前で離着陸する旅客機の迫力に歓声があがった。 NAA執行役員の高橋広治エアライン営業部長によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、空港会社も航空会社への営業機会が減っていたという。「今回はJALとシンガポール政府観光局とともに、テーマ性のある周遊チャーター企画を実施したいということで話が進んだ。空港見学も潜在的な需要があるのでは、という我々の思いもあり、今回初めて航空会社と見学ツアーを実施した。今後も機会を設けたい」(高橋氏)と語った。 JALは冬ダイヤ期間のうち、11月1日から2021年1月31日までのシンガポール路線は、羽田-シンガポール線を1日2往復(JL35/38、JL37/36)、成田-シンガポール線を1日1往復(JL711/712)運航する計画だった。現在は成田線を週4往復に減便し、羽田線はJL37/36便のみ運航日を限定して運航している。 JALとジャルパック、NAAの3社は、今後も同様のチャーターを企画。次回は台湾をテーマにしたフライトを予定している。
Takayuki MURATA