パートナーとの関係がラクになる「3つのフリ」、無理しそうなときは「体のちがい」を受け止める
私たち現代人が抱える「心のしんどさ」から解放されるためには、他人からの評価を気にしない「自分軸」を持つことが重要だと、からだデザイン研究所を主宰する整体指導士のいちい葉子さんは指摘します。 そんないちいさんが提案する、パートナーとの関係をラクにするコツとは、どんなものなのでしょうか。同氏の著書『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』から、一部を抜粋・編集して紹介します。 ■あなたにとっての「本当の幸せ」はどこにある?
佰食屋(ひゃくしょくや)という飲食店をご存じでしょうか? 「1日に100食しか販売しない」と決めて運営されている飲食店で、それに伴ういろいろな働き方改革が注目を集めたお店です。 100食限定ということは、売り上げにも上限が出てしまうということ。つまり、一般の飲食店で目標とされる売り上げ増や店舗拡大といったことは目指していないんです。そのかわり、早く売り切れたら、早く帰れるようにすることで、従業員のがんばりに応えるスタイルをとっているといいます。
実際、佰食屋では遅くとも15時には最後のお客さんが帰り、17時頃には従業員が帰宅を始めるのが当たり前の光景だそう。 その背景には、経営者の中村朱美さんの「仕事だけが人生じゃない」「自分にとって働きたい会社の条件は、毎日、家族みんなで揃って晩ごはんを食べられること」という信念があります。 この佰食屋の取り組みを知ったことは、私にとって大きなターニングポイントとなりました。 当時、私はちょうど整体の仕事が軌道に乗り始めた時期でした。生徒のみなさんに求めてもらえることがうれしい。みなさんの期待に応えたい。まくら体操や、そのコミュニティが広がっていくのが楽しい。売り上げが大きくなり、事業成功の道を登り詰めていく快感もありました。
その一方で、私はまた自分を見失っていたのです。寝る間もないほど働き詰めの毎日。心身共に疲労困憊の状態で、「どこまでこの生活をつづけるんだろう?」「私はなんのためにこの仕事をしてるんだっけ?」という迷いや不安が生まれていました。 もともとは、自分がやりたくて始めた整体の仕事だったはずなのに、いつの間にか、生徒さんからの評価や事業の規模、売り上げといった外部のモノサシ(他人軸)で自分を測るクセがついてしまっていたのです。