安くはない「国公立大学」への進学。進学者の半数以上が「高校入学前」から受験勉強をスタート
「小学校、中学校は地元の公立に行って、高校は公立の進学校、そして大学は国公立へ」ー国公立大学と私立大学の学費を見比べれば、子を持つ親の誰もが一度は考えることかもしれません。 【画像】「国公立・私立別」東進生の受験勉強スタート時期(=東進入学時期)と、大学種類別の家庭の世帯年収 ただ、言うは易く行うは難しで、国公立大学はやはり狭き門であることに変わりはありません。 また、国公立の大学共通テストの科目数は、現在の5教科7科目から、2025年には「情報」を加えた6教科8科目になることが公表されており、国公立大学への進学はますますハードルが高くなるといえるでしょう。 東進ハイスクール・東進衛生予備校でおなじみの株式会社ナガセは、2021年大学入試における東進生の進学先を調査し、受験勉強を始めた時期について聞いています(2021年4月28日公表)。 今どきの大学受験はずいぶん様変わりしています。どのような内容になっているのかを見ていきましょう。
高校入学前から受験勉強をスタートした国公立進学生は50.2%
2021年入試における東進生の進学先大学を「国公立理系・国公立文系・私立理系・私立文系」の4つに分類し、受験勉強スタート時期(=東進入学時期)別にみたものが以下の通りです。 高校入学前にスタートした学生のうち、国公立大学に進学した生徒の割合は50.2%と半数以上。 反面、高3スタートで国公立大学に進学した生徒の割合は33.8%と、スタート時期が早いほど国公立進学者の割合が多く、私立進学者の割合が少なくなっています。 高校入学前スタート者のうち、国公立理系に進学した生徒は35.1%。ただ、スタート時期が遅くなるにつれてその割合は減少しています。一方で、私立文系はスタート時期が遅くなるにつれて割合は増加していき、高3でのスタートは43.9%を占めています。 国公立を受験する場合、5教科7科目をカバーしなければならず、その分受験対策に多くの時間が取られてしまいます。さらに理系であれば、数学のウェイトが高い分、当初から理系を目指した学習が必要になります。 受験のスタート時期が遅くなると、科目数が少なく、数学が不要な私立文系を選ばざるを得ない状況になっているといえそうです。