日銀が追加利上げ見送り、植田総裁「賃金動向についてもう少し情報が必要」…政策維持は3会合連続
日本銀行は19日開いた金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を0・25%程度で据え置くことを決めた。決定会合後の記者会見で植田和男総裁は、追加利上げを見送った理由について「春闘に向けた勢いなど賃金動向について、もう少し情報が必要だ」などと説明した。
日銀が政策の維持を決めるのは9月の決定会合以降、3会合連続。政策委員9人のうち、田村直樹審議委員は0・5%に利上げするよう提案し、維持に反対した。
植田氏は「基調的な物価上昇は極めてゆっくりだ」とも指摘。データや情報を見極めて利上げを判断する考えを強調した。
日銀は19日の決定会合後、過去25年間の金融政策の効果を検証する「多角的レビュー」を公表した。2013年以降の大規模な金融緩和策は、経済・物価を押し上げた一方、「導入当初に想定したほどの効果は発揮しなかった」と総括した。