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F1に政治を持ち込むな! 差別問題に取り組むハミルトンは「思い上がっている」とマリオ・アンドレッティが苦言

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motorsport.com 日本版

 アメリカ・ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドが白人警官の手によって殺害された事件に端を発し、現在では世界的な反人種差別運動が起こっている。F1史上唯一の黒人ドライバーであるルイス・ハミルトンはこの運動を支持しており、その活動はF1をはじめ、ドライバーたちからも支持を得ている。 【写真】黒人を侮辱する“絞首刑用の縄”に見立てたというのは勘違いだった? NASCARタラデガ戦で吊り下げられていたロープ(左上)  しかしながら、ハミルトンがレース開始前に膝をつくよう同僚たちに促したことは賛否を呼んでいる。これは、2016年にアメリカンフットボールリーグのNFLで、コリン・キャパニックが人種差別への抗議を示すために国家演奏中に膝をついた行為を模したものだが、F1のレース前には膝をつくドライバーとそうでないドライバーに分かれている状況だ。  こういったハミルトンの行動に疑問を示しているのが、アメリカのモータースポーツ界における伝説的な存在であり、1978年のF1ワールドチャンピオンでもあるマリオ・アンドレッティだ。彼は先週、チリの『エル・メルクーリオ』紙に次のように語った。 「私としては、スポーツと政治を混同して欲しくないと思っている。自分の意見を主張するのにも時と場所というものがある」  スポーツと政治が混同された結果起こった出来事として、アンドレッティはNASCARカップ・タラデガ戦で起きた事件を例に挙げた。このレースでは、シリーズ唯一の黒人ドライバーであるババ・ウォレスのガレージに、黒人への侮辱を意味する“絞首刑用の縄”のようなものが吊り下げられていたとして問題になった。しかしながらFBIによる捜査が行なわれた結果、それはガレージの仕切りを引き下げるロープであり、昨年から同じ状態で吊り下げられていたことが分かった。そのため、ウォレスを標的にしたヘイトクライム(憎悪犯罪)ではないという結論に至ったのだ。 「NASCARでババ・ウォレスの身に起こったことは、大げさに取り上げられてしまった」とアンドレッティは続ける。 「確かにそれは酷い状況に見えたが、実際にはそうではなく(ロープが吊り縄状になっていたのには)特に理由がなかったんだ。これは偏った見方によるもので、政治的なことを真っ先に考えた結果起こったことだ」  ハミルトンがFIAにモータースポーツにおける人種の多様性を求めたり、人種差別問題に注目が集まるよう取り組んでいることについて、アンドレッティはこう答えた。 「それも同じことが言える。ルイスのことは本当に尊敬している。だがしかし、なぜそう過激になる? 彼はこれまで常に受け入れられてきたし、皆からの尊敬も集めている」 「思い上がっているんじゃないか……私はそう感じた。そして存在しない問題を作り出しているんだ」 「(メルセデスは)マシンを黒に塗っていたが……それが何の役に立つのか分からない」 「私はこれまで、様々なバックグラウンドを持つドライバーを見てきたし、私はそんな彼らを両手を広げて歓迎してきた。モータースポーツに肌の色は関係なく、みんな自分の力で結果を出して居場所を確保しないといけない。それは誰もが同じことなんだ」  そう語ったアンドレッティ。現在のレース界に黒人ドライバーが少ないことに関しては、次のように話した。 「ああ、確かに彼らは少数派だ。しかし歓迎されていない訳ではない」 「何と説明すればいいのか分からないが、インディやNASCARでは既に黒人ドライバーがいて、常に歓迎されてきた。その中の何人かとは、今でも友人だ」 「(現状の)何が悪いのか分からない。確かに多様性は少ないのかもしれないが、それは彼らが差別されているからではない。そこがポイントだ」  ハミルトンはこういったアンドレッティの発言に対し、ソーシャルメディアで以下のように反論した。 「これにはガッカリした。ただ残念なことに、年配の世代の一部が自分たちの固定観念から抜け出せずに、問題を認めることができていないという現実があるのは確かだ」 「繰り返しにはなるけど、僕は変化を求めて努力を続けることを止めるつもりはない。今回の件は明らかな無知によるものだ。学ぶのに遅すぎるということはないし、僕が尊敬しているこの方が学びを深める時間を取ることができるよう願っている」

David Malsher

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