学生トップランナーが履いているモデルは?東洋大の梅崎&石田、名城大の谷本&米澤が語る「シューズの履き分け」
■ 『アルファフライ』で勝負する梅崎と石田の練習モデル 学生駅伝でも活躍している東洋大の梅崎蓮と石田洸介(ともに4年)。鉄紺のエースたちはともに駅伝で『アルファフライ』を着用しているが、練習で履くモデルはかなり異なっている。 ジョグは梅崎が『ペガサス』で、石田が『ボメロ』。集団走や速いジョグはともに『ペガサス プラス』で石田は『ズーム フライ』も使用している。 「ジョグはクッション性があって反発もある『ペガサス』を履いていて、ソールが厚くないので脚作りにもいいのかなと思っています。速いジョグはより反発力のある『ペガサス プラス』を使用しています」(梅崎) 「ジョグはゆっくり走るときもあればペースを上げることもあります。『ボメロ』はどちらのシーンでも安定して走れて、故障を防げるようなクッション性もあるので気に入っていますね。『ズーム フライ』は『ペガサス プラス』より厚みがあるので、厚底シューズを慣らすという意味合いもあり、距離走で使用することもあります」(石田) ペース走は梅崎が『ストリークフライ』で石田が『ヴェイパーフライ』。スピード練習は梅崎が『ストリークフライ』と『アルファフライ』で、石田が『ヴェイパーフライ』と『ペガサス プラス』を使い分けている。 「中足部のみカーボンプレートが入った『ストリークフライ』は厚くもなく、薄くもないので脚作りにもいいですし、レースの感覚も養うことができるシューズです。ペース走だけでなく、スピード練習でも使用していますが、強度が高い練習や試合直前はレース時の感覚をつかめるように『アルファフライ』を履いています」(梅崎) 「ベース走はレースの動きを作る意味でも大事な練習です。かつ厚底シューズをレースで最大限活用するために『アルファフライ』より反発が少しやさしい『ヴェイパーフライ』を使用しています。スピード練習も同様ですが、『ペガサス プラス』はキロ3分00秒ペースぐらいまで使えるので、脚作りの目的でも履いています」(石田) ふたりともレースは『アルファフライ』を着用しているが、石田は梅崎と異なり練習で“勝負シューズ”をほとんど使用していない。逆に本番で『アルファフライ』の恩恵を最大限受けられることを意識しているという。 「ナイキのなかで一番反発が強いのが『アルファフライ』です。使いこなすのが難しいですけど、ちゃんと使いこなせればいつも以上のパフォーマンスを発揮できる。その反発に慣れすぎるとレース時に特別感が湧かないので、試合の直前や新しい『アルファフライ』をおろしたときに、少し使う程度です」(石田) 本番で心身ともにピークを合わせるために、練習時のシューズ選びはメンタル面でも考えているようだ。
酒井 政人